The World We're Gonna Make

  • 2018.03.03 Saturday
  • 21:15
映画を観に行くと言ったら、すかさず何を観るか当てられたitoyanです、ごきげんよう。
グレイテスト・ショーマン

↑今月いっぱいポイントカード会員は一律¥1,100の旧相鉄ムービルにて

実話を基にした映画だということ、そして実在したP.T.バーナムが創設したサーカスの流れを汲む「リングリング・ブラザーズ・アンド・バーナム・アンド・ベイリー・サーカス」が昨年、解散したという新聞記事を読んだだけで行って来ました。
だって、ミュージカル映画なんだもーん!問答無用(←だからバレたんだよね、Kuroi様に)。


音楽が『ラ・ラ・ランド』のコンビだそうですが、ワタクシ的には断然こっちの方が好みです。
全体を通してstompな、思わず一緒に足を踏み鳴らしたくなる力強い曲が多くて、気分はage↑age↑
息をつかせる間もなく、一曲の間に少年から大人になり、さして悩むこともなく無職から一大興行主へ。この辺の詳しい説明はどーでもいいんで、とにかくショーを観てくれ的な大胆さ、ミュージカルの王道っぽくて嫌いじゃなくってよ(笑)
ただ、あんまり早い段階で成功を収めたもんだから、この先どんな転落が?と心の準備をしてしまい、またその通りの流れで意外性がなかったのが、ちょっと残念。
「正義の人」(っぽく見える)ヒュー・ジャックマンが演じてるのに、仲間に冷たい態度を取るキャラクターに成り下がっちゃうのが悲しかったけど、そのせいで「This Is Me」の効果抜群なんだな。


妻とのすれ違い、興行の失敗、劇場の火災と絶望のどん底に。「From Now On」再び愛と信頼と希望を取り戻す。
そして再建は「テントでやろう!」←あ、これってまさに我々が知ってる「サーカス」じゃん!(目から鱗)

バーナムも妻のチャリティも一座のみんなも「居場所」を求めていた、一人一人が輝ける世界を作ろうとしていた、そんな映画でした。 最後に「育メン」になりまーすって引退しちゃうのはなんだかな。

『グレイテスト・ショーマン』舞台化へ!ヒュー・ジャックマン認める
ということですが、音楽やダンスの演出など、映画を観ている間も舞台向きだなぁと思ってました。バーナムの物語のように見えて、彼を取り囲むアンサンブルにも光が当たりそうだし。
そういう意味でも、「いいから私を見て!これが私なの!」と主張する歌からも、めっちゃ『ラ・カージュ・オ・フォール』っぽいですね。
そうかと思えば、ヒュー・ジャックマンとザック・エフロンがバーのカウンターで歌うシーンは『クレイジー・フォー・ユー』のボビーとザングラーのシーンを思い出したし、そもそもマンハッタンの興行主がスウェーデンの歌姫をアメリカに招致して一曲歌わせるって、それどんな『ラブ・ネバー・ダイ』w
劇場が全壊しちゃうのは『Sing』っぽいし、ていうか、ヒュー・ジャックマンの少年時代の子役にパンを盗ませるって、『レ・ミゼラブル』のオマージュか?

とまぁ、ミュージカルファンは観て損はないですよ。

真の人

  • 2018.02.10 Saturday
  • 20:45
昨日、思いっきり「週刊誌ネタって大体六割、女性週刊誌に至っては八割くらいガセだと思う」とか書いてましたが、真実だったわ、文春(2/8号)→「ディーン「モンテ・クリスト伯」新ドラマの勝算
うおおおお、まさかの『岩窟王』!
これは主演が誰であっても、観る気満々だったに違いない!なぜなら、同じ局の『カラマーゾフの兄弟』とか『霧に棲む悪魔』(原作『白衣の女』)といった海外小説の翻案ドラマが大好物だからー。
どうせなら、タイトルをもう少しひねってほしかったけどw
フジの木曜10時ってことは日本の連ドラ初出演の『探偵の探偵』やってた時間帯じゃん!ある意味、故郷に錦を飾るようなものね。よし、この機会に再放送しろして下さい、お願いします<(_ _)>
平たく言うと、殺人逃亡犯イチハシからエリート若社長北斗になるってことね(←平たくしすぎ)。
今度は視聴率悪くても、W主演の相方のせいにできないからタイヘンだ…(←ファンにあるまじき発言)。


ま、四月からのお楽しみは置いといて。
昨日までGYAO!で配信されてた、ディーン出演台湾映画『セデック・バレ』(2011)をギリギリで視聴完了です(終わった時は日付が変わってた)。

1930年、日本統治時代の台湾で起こった先住民セデック族による抗日暴動・霧社事件を描く。台湾映画史上最高額となる7億台湾元をかけて制作された。全2部作で、第1部は143分、第2部は131分。第1部が2011年9月9日、第2部が9月30日より公開され、2011年11月26日、第48回金馬獎で「最優秀作品賞」「最優秀助演男優賞」「最優秀オリジナル音楽」「最優秀音響効果」「観客賞」の最多5部門を受賞した。
日本では2012年3月の第7回大阪アジアン映画祭で初公開。台湾以外の国際映画祭に出品されたインターナショナル版(短縮版)ではなく、2部作合計4時間半におよぶフルバージョン(タイトルは第1部『セデック・バレ 太陽旗』、第2部『セデック・バレ 虹の橋』)で、3月13日と14日にそれぞれ上映され、コンペティション部門の「観客賞」を受賞。(Wikipedia)


「セデック・バレ」とは「真の人」という意味で、一部は従属させられたセデック族が学校の運動会で蜂起するまで。二部は惨劇の後の日本側の反撃。
さすがR15。4時間超の間に、バッサバッサと首が飛ぶ!
首狩り(や戦闘シーン)をもう少しコンパクトにまとめれば第一部だけで終わったんじゃないかってくらい、頭部が胴体から離れるシーンを何度も目撃するので、結構ぐったり来ます、ホントに。
この首狩りは台湾先住民の風習(「出草」という)。
「セデック族の抗日暴動」なので、日本人(軍も警察もひっくるめて)の首が多いけど、村落同士の抗争もきっちり描かれてて同じ部族なのに首を刎ね合う。
「共通の敵の為に団結すればいいのに」って、確か『麦の穂をゆらす風』でも思った。
ちなみにWikipediaによると
劇中では、反乱後のセデック族の圧倒的な戦闘力が描かれているが、実際には日本軍が圧倒的な武力で対応した為、日本軍の死者は日本軍兵士22人、警察官6人のみであった。


惨殺シーンが多い割に、結構観入ってしまったのは主役のモーナ・ルダオの存在感故に尽きる。

↑めっちゃ渋かっこいい…(惚れる!)
何がすごいって、この方、これが映画初出演で普段は牧師っていう…。
自分が頭目になってから、部族としての誇りを踏みにじられる中、何とかして尊厳を保とうとしている姿に胸を打たれます。
なので、敗残が分かってて蜂起し、圧倒的武力の日本軍を前にして、生き残った者たちに「逃げるなり、戦うなり、捕虜になるなり好きにしろ。俺は捕まるわけにはいかん」というのはちょっと拍子抜けしましたが。
日本側のキャスト、第一部は木村祐一、第二部は安藤政信が大活躍でした。キム兄、首刎ねられちゃったけど…。



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Manners Maketh Man

  • 2018.01.10 Wednesday
  • 21:25
映画『キングスマン:ゴールデンサークル』を観てきました。


すごい!年末から三週ぶっ続けで映画観てる!
ま、その為に半日時短勤務に応募したようなものだから…。交通費と化粧に費やした時間は有効に使わないと!




ていうかわたし、前作を観たときにこんなこと言ってたんですが↓
主役と言われてたヒトが思いっきりあっけなく死んじゃったので、わたしなんかいじましくも「きっとコリンはどこかで生きてるはず…!」と期待を込めて観続けてたんだけど、マーリンの言うとおり「頭をぶち抜かれて生きている奴はいない」のだった...orz

今回、思いっきり、生き返ってるんですけど?
あの状態でどうやって生きてるんだYO!と思ったら、思いっきりありえないリアリティ度外視の救出方法で脱力〜(ジェルパック保存とかもう何なのよ)

二年前に流した涙を返せ!
主なキャスト
<キングスマン>
ゲイリー・“エグジー”・アンウィン / ガラハッド:タロン・エガートン
ロキシー・モートン / ランスロット:ソフィ・クックソン
アーサー:マイケル・ガンボン
ハリー・ハート / ガラハッド:コリン・ファース
マーリン:マーク・ストロング

<悪の麻薬組織>
ポピー・アダムズ:ジュリアン・ムーア
チャーリー・ヘスケス:エドワード・ホルクロフト
クララ:ポッピー・デルヴィーニュ

<ステイツマン>
ジンジャー:ハル・ベリー
テキーラ:チャニング・テイタム
シャンパン:ジェフ・ブリッジス
ウィスキー:ペドロ・パスカル

アメリカ合衆国大統領:ブルース・グリーンウッド
フォックス首席補佐官:エミリー・ワトソン

ティルデ王女:ハンナ・アルストロム
エルトン・ジョン:エルトン・ジョン
コリンもジュリアン・ムーアもオスカー俳優だし、こーゆーおふざけスパイ映画に出るようなキャラじゃないはずなのに、出ちゃうんだよねぇ、二人とも(ちなみに二人が画面に並んでるのを観て『シングルマン』を思い出しました)。
いや、コリンはともかく、ジュリアン・ムーアにあんなアンポンタンな役を演じさせていいのか?
ていうか、サー・エルトン・ジョン、なにやってんすか…。
ある意味、準主役と言ってもいいくらいの活躍っぷりでした。コリンに色目使うのはヤメテ(笑)。

前半、コリン演じるハリーは記憶障害なんだけど、その記憶が戻る前後の演技がまるで違ってて、さすがです。
わたしはコリンの声がほんっとに好きで(←声フェチ)、あの声で英国英語を聴く為に映画館にわざわざ行って観てきたようなものです。たまらなくセクシー。
しかし、今作の見どころはラスボスとの戦いを前に、普段前線に出ることのないマーリンが出張って来たと思ったらフラグだったかーのシーンです。いやでもどう考えても死んでたハリーが生きてたんだからマーリンも…ねぇ…。わたし、もう二度と『カントリー・ロード』を平常心で聴けなくなりました…。

全作の「マイ・フェア・レディ」的な成長物語成分はなかったけど、アクションシーンとグロシーンが出血大サービスってとこですかね。『スウィニー・トッド』的な展開、ホントきついっす…。
合衆国大統領がなんかもうホントにいけ好かない権力者的に描かれるのは、英国映画の常なのかしら(参考:『ラブ・アクチュアリー』)。地味に有能そうな補佐官、どっかで見たことあるなぁと思ってクレジット見たら、エミリー・ワトソンか!←英国人w

オリエント急行スーパースターズ

  • 2018.01.01 Monday
  • 17:55
新年明けましておめでとうございます!
Abemaで朝青龍のガチンコファイトを観ながら、「東急ジルベスタ―コンサート」のカウントダウンで2018年を迎えました(笑)。

さて、毎年恒例元旦映画鑑賞。今回は正月にふさわし…くない『オリエント急行殺人事件』!

監督:ケネス・ブラナー
主なキャスト
エルキュール・ポワロ:ケネス・ブラナー

ブーク(オリエント急行の重役):トム・ベイトマン
ピエール・ミシェル(オリエント急行のフランス人車掌):マーワン・ケンザリ
エドワード・ラチェット(米国人美術収集家で富豪):ジョニー・デップ
ヘクター・マックイーン(ラチェットの秘書):ジョシュ・ギャッド
エドワード・ヘンリー・マスターマン(ラチェットの英国人執事):デレク・ジャコビ

キャロライン・ハバード夫人(未亡人):ミシェル・ファイファー
メアリ・デブナム(家庭教師):デイジー・リドリー
ピラール・エストラバドス(ヒスパニック系宣教師):ペネロペ・クルス
ゲアハルト・ハードマン(オーストリア人教授):ウィレム・デフォー
ドラゴミロフ公爵夫人:ジュディ・デンチ
ヒルデガルデ・シュミット(ドラゴミロフ公爵夫人のドイツ人メイド):オリヴィア・コールマン
ビニアミノ・マルケス(キューバ人セールスマン):マヌエル・ガルシア=ルルフォ
ドクター・アーバスノット(英国の黒人医師):レスリー・オドム・Jr
ルドルフ・アンドレニ伯爵(外交官):セルゲイ・ポルーニン
エレナ・アンドレニ伯爵夫人(伯爵の妻):ルーシー・ボイントン
見よ!この↑オールスターキャスト!
個人的には、ケネス・ブラナーとウィレム・デフォーとデレク・ジャコビとジュディ・デンチがいるってだけで血湧き肉躍る♪(+ジョニデとかペネロペ・クルスとかどんだけ満艦飾だよ…)
ケネス・ブラナー、久しぶりにスクリーンでお目にかかりましたが、こんな御尊顔でしたっけ?全編通して、フランス語なまりの英語に加え、ドイツ語まで披露はさすがです。
ジュディ・デンチのメイド役、どっかで見たことあるなぁと思ったら、あれだ。ロンドンで“Hay Fever”観たときのキャストだわ。懐かしい。
それにしても、世界のジョニデがこんな「クズ男」を演じる日が来るとはね…いや、結構演じてたわ(笑)。

原作既読だし、デヴィッド・スーシェ版も観てるので、誰が犯人か知ってて観に行ったんですけどね。

知ってても面白いんだよ、これが!

知ってるからこそ、あ、犯人がポワロをかく乱してる!とか、思いっきりミスリーディングですよ〜とか「灰色の脳細胞」のポワロに先んじて、頭の中で再構築できる悦びよ。
それと、このお話って、単なる復讐ってだけじゃなくて、事件の被害者の関係者一人ひとりがそれぞれ癒えない悲しみを背負って生きて来たっていうのが、名優たちの演技から伝わってくるんです。
そういうのって、ものすごく現代性のあるメッセージだなぁと思って、気付いたらミシェル・ファイファーに泣かされてました。
お定まりのポワロの謎解きシーンも、列車内のコンパートメントじゃなくて、細長いテーブルに関係者全員が据わってるんですが、まるでキリストの「最後の晩餐」シーンみたいで、ポワロがユダを見つける暗示みたいだなと思ってしまった。

ミシェル・ファイファーが歌う主題歌も、幼い子を失った一家の悲しみを歌ってるみたいで切ない…。

音楽も印象的でいいなぁと思ったら、めっちゃハマってた『ゴスフォード・パーク』のパトリック・ドイルでやっぱりな。

マフラーを巻いた猫

  • 2017.09.01 Friday
  • 21:10
月が変わって映画の日よ!

今日から久々の無職です。そんな社会の底辺に生きる女にふさわしい映画を観てきました(え)↓

ロンドンのホームレスジャンキーと猫の実話ベースのお話『ボブという名の猫』。
あ、ホームレスでもジャンキーでもないですよ、わたしは。ただ真っ当に働く気力がないだけ(をい)。

原作とそれほど逸脱してないけど、やっぱり映画の方が時間的制約がある分、いろんなトラブルの描写は最小限に抑えたなというのが原作読みの感想。
地下鉄の職員、バスキングのギャラリー、Big Issueの同業者、もうありとあらゆる関わり合いのある人とトラブル起こしてんだもん、この作者。勿論、彼が全面的に悪いんじゃなくて、不可抗力だったり、運が悪かったりって面も多分にあるんだけど、何と言うか、コミュニケーション力と想像力が足りないんだよ...。
同じ条件で他より稼ぎが良けりゃやっかまれることくらい察しがつくだろうに、そこんとこ全然分ってなくて、「何でこうなるんだー」って頭抱えてるだけなのが、原作読んでてイラッと来たんだけど、さすがに映画はそこらへんサラッと。
ヤク断ちするシーンは、やはり実際に生身の人間が演じてるのを目の当たりにする方がとこを観る方がキツいですね。まったくもってヘロインなんて「ダメ、絶対」。

このダメダメ男ジェームズを黙って見ているのが、ボブ(という名の猫)なわけですが、彼がめちゃくちゃいい演技をしてるんです。
そのまなざし、そのしぐさ、もしかして本当に役どころを理解しているのでは?と思ってしまうような…って、まぁ実際は、撮影班がグッジョブなんだろうけどね(笑)。
ジェームズ役は、俳優のルーク・トレッダウェイが演じてますが、なんと!ボブ役は本人(猫)だそうですよ。道理でトレードマークのハイタッチがさまになってたわけだ。
ちなみに、ジェームズが本を上梓してサイン会を開催して終わるんですが、ここで作者が客に紛れて登場。「僕の人生そのものだ」とジェームズ(役)に語りかけてて、思わず吹き出しちゃった。

猫を肩に乗せたストリート・ミュージシャンが一躍有名になって、観光客が写真をねだるシーンがあるんですが、“Sir”って呼びかけるんですね(日本なら「すみません」って呼び止めるくらいの感覚で)。
これが若い頃からずっとジャンキーだったジェームズには想定外のことだったらしく、「僕みたいなヤツに『恐れ入りますが』って言うんだ…」って、カウンセラー(←『ダウントン・アビー』のアンナ)に涙ながらに語るシーンが印象的でした。
そうか、“Sir”をそう訳したかー。
これが時代物なら「旦那様」でもいいかもしれないけど、現代のバスカー相手にそれはないし、かといって「すみません」なんてフツーの言い方ではジェームズが感動するほどの「他人に敬意をもって呼び止められた」感が出ないわけで…。

せっかくだから“Big Issue”を買おうかと思ったのに、いつもいる横浜駅東口の郵便局前にいなかったよ、販売員…。

今日発売の号には、作者の対談が掲載されてるので、よろしければお買い求めください。

それにしても今年観た英国映画が、『ミス・シェパードをお手本に』、『わたしは、ダニエル・ブレイク』ときて、これって、何でこんなボンビー映画ばっか…。

行ってから観る

  • 2017.07.12 Wednesday
  • 18:05
今年G.W.に何度目だ?の映画『赤毛のアン』が公開されたんですが、観る機会がないままP.E.I巡礼の旅に出てしまいまして。
そしたら観てからツアーに参加した人が皆、「観る価値ない」「昔の映画のほうがずっといい」「マシューがしゃべりすぎる!」と文句垂れまくりだったので、すっかり観に行く気が失せ、そのまま上映終了。
…と思いきや!ここへきて横浜ニューテアトルという単館上映の映画館で上映が決まり、とにかく『赤毛のアン』で卒論書いた身としてはいかに駄作であろうと観るべきではなかろうかと思い、レディースデイ狙いで行ってきました。
てか、ニューテアトルってレディースデイ、¥1,000で観られるってみなさん、ご存知でした?\(^o^)/
シネマベティ&ジャックですら¥1,100なのに…。


結論から言いましょう。

これは『赤毛のアン』ではない!

アラン牧師夫妻&ミス・ステイシー不在で、ギルバートとケンカしたまま、クイーン学院へも行かず、マシューが死なないで終わる『赤毛のアン』なんて、『赤毛のアン』と言えると思って?!
とにかく、キャスティングがどうのとかいう問題ではなく、これを『赤毛のアン』というパッケージで売る姿勢がいかんともしがたいのです。たとえ、製作者がモンゴメリの孫であったとしてもだ!
ネタバレ覚悟で言えば、アンが手違いでグリーン・ゲイブルスへやってくる経緯はいいんだけど、スペンサーの奥さんに直談判して、ブリュエット夫人に引き取られそうになるところを、マリラがやっぱウチで引き取るわって流れを全カット(おお、神よ!)。
アンを送り返す問題を一年かけて引っ張って、その間に原作で彼女がやらかす様々なエピソードを時系列無視でちりばめて、一年後にシャーロットタウンで引き取り手が見つかったからお別れね→いや、あんた、うちの子におなりでThe End…。

わたし、てっきりこの後まだまだ続くんだと思ってたから、ここでエンドロールが来たとき、腰抜かしそうになりましたわ…。
まぁ、確かに今度の主役はクイーン学院の女学生を演じるにはちょっと、いやだいぶ幼いなと思ってたけどさぁ…。
アンがグリーン・ゲイブルスに引き取られるまでのドキドキを味わうなら、この映画観ないで、名劇『赤毛のアン』を神編集した『グリーン・ゲーブルスへの道』をご覧になるといい。原作に忠実に、余計な脚色なしに感動作になってます。
1985年のミーガン・フォローズ主演、ケヴィン・サリヴァン監督の映画『赤毛のアン』も細かいところで「なんでそうするかなぁ」っていうツッコミはあったんですが、もう今回の映画に比べたら比類なき神作です。

やはり古典的名作を映像化するなら、途中はどうあれ、着地点は原作と合わせてきてほしいもの。『赤毛のアン』は成長物語なんだからさぁ、基本、アンが大人になってくれないと困るのよ。
尺とか予算とかの問題で端折らなければならないんだったら、「ビフォー『赤毛のアン』」にして、グリーン・ゲイブルスに来る前から始めるとかすればよかったのに。

ま、P.E.Iの美しい四季や、開拓農家二世の質実剛健な暮らしぶりなんかをじっくり見るにはいい映画でした。もう赤い土と青い海が出てきただけで、5月を思い出す。

しかし、わたしがモンゴメリだったら怨霊になって、孫のもとに現れるんだけどなぁ…。

Air Canada鑑賞会(2)

  • 2017.05.30 Tuesday
  • 23:15
“Kiss and Cry”ってタイトルだけで、「あ!これ絶対フィギュアスケートに関係ある映画だ」って思ってしまう程度には、それなりの知識がある昔取った杵柄です、こんばんは。
帰りの便では、カナダ映画“Kiss and Cry”(2017)を観ました(もちろんノー字幕ノー吹き替えの全編英語)。

『俺たちフィギュアスケーター』とまでは行かずとも、明るい爽やかスポーツドラマかと思ったら、あんまりフィギュアは関係なくて、闘病モノのシリアス青春ドラマでした。
カナダのフィギュアスケート選手、Carley Allisonが19歳という若さで気管癌の為亡くなった実話を基にした映画で、主役のCarleyを彼女の友人でもあったカナダの女優、Sarah Fisherが演じてます。
実年齢24歳の割にはティーンの役に違和感ない、ちょいタレ目でキュートな顔立ちが、日本でウケそうな女優さん。笑顔も可愛い。
映画の中ではところどころで彼女がカメラ目線で心情を語り、まるでドキュメンタリーのような演出になってます。
ちなみにスケートのコーチ(Shin)役を日系(?)のDenis Akiyamaという方が演じてましたが、ちょっと調べたら本物のCarleyのコーチも日本人で、長野五輪にペアで出場した天野真さんだったらしい。

英語で観たのできちんと把握できてるか謎ですが、大体のところはこんな感じ↓
Careyは三人姉妹の真ん中で育ち、18歳の誕生日を前に、フィギュアスケートの練習に励む毎日。
バースデイパーティで出会ったJohnと恋仲になり、ボストンのバークリー音楽院への進学も決まり、青春を謳歌しているが、最近息切れが激しく、スケートの練習中に気を失ってしまう。
更に、Johnとのデート中に呼吸困難になり、そのまま病院に運ばれ、喉に腫瘍ができていることが判明する。
抗がん剤の副作用で髪が抜けたCarleyを励ますため、友人たちは髪をカットする。
プロムにはかつらを付けて出席するが、将来に不安を覚え、Johnと別れてしまう。
不安を鎮めてくれるのは音楽であった。彼女がYouTubeにアップした自作の弾き語りは世界中に拡散され、ついにはアイスホッケーの開会式で国歌斉唱をすることになった。
家族の温かいサポートもあり、完治。Johnとも復縁し、再スケートの練習に向かうようになる。
明るい未来が彼女の前に広がったその時、腫瘍が再発していることが分かり、再び闘病生活に。しかし、彼女はポジティブさを失わず、明るく生き、19歳でその生を閉じた…。


どんな人でも志半ばでこの世を去る過程を見るのは辛いけど、殊にCarleyのように才能と未来のある人が不治の病に侵され、若くして逝ってしまうというのは、なんともやるせないですね…。
病を得る前に誂えたプロム用のドレスのサイズが合わなくなるほど痩せて、しかも喉には切開の傷跡が…。それをカバーするために、首元からレースで覆うようにミシンで作り変えるシーンが何故だか印象に残ってます。
前知識なしで観てたから、「完治して、フィギュアの大会に出場して、良い演技をしてエンディング」みたいな映画だと思ってただけに、ショックは大きい。
ラストシーンは雪道をゆっくりJohnと散歩する抒情的なシーンで、彼女の最期は描かれずに終わるんだけど、そこは救いかな。最期まで前向きだったというCarleyらしいし、観客が感情過多になるのを避けられたし。
フィギュアに限らず、人生は「キス&クライ」(喜びと悲しみ)に満ちている。

Carleyのブログ

Air Canada鑑賞会(1)

  • 2017.05.25 Thursday
  • 23:20
羽田-トロント間のクソ長いフライトで楽しみにしてた機内上映ですが、わたしの興味をひく映画はあんまりなかったです(『わたしは、ダニエル・ブレイク』なんて当分ええわ…)。
ちなみにAir Canadaの機内スクリーン、リモコンじゃなくてタッチパネルになってたよ!操作が簡単になったけど、腕のばすのがつらいよ!(笑)

あきらめきれずに物色してたら、こんなの発見↓


Sing”ってタイトルだけで、「あ!これ絶対ミュージカルに関係ある映画だ」って思ってしまう程度には、それなりの鑑賞歴を誇ってます。
つーか、とっくに公開してたんですね!


字幕版がないからしょーがなく吹き替えで鑑賞。
これはこれで面白かったけど、日本語歌唱部分が訳詞不可能で時々オリジナルになるくらいなら、いっそ通しでオリジナルを!とも思った。
Wikipediaより、あらすじ(長いよ!)
6歳の頃に舞台に魅せられ、劇場主となったコアラのバスター・ムーン。しかし劇場の運営は振るわず、前の公演の関係者への賃金の支払いも滞り、銀行からも返済を迫る連絡が繰り返し入る。そんな中、バスターは新たな劇場の目玉として、賞金1000ドルで歌のオーディションを行うことにする。ところが、劇場事務員のミス・クローリー(イグアナ)の手違いにより、賞金「10万ドル」と記載されたポスターがムーンのチェックを経ずに街中へばらまかれてしまう。

翌日、街中から大勢の動物が集まる。オーディションを通過し、最終的にステージに上がることとなったのは主婦のロジータ(ブタ)、窃盗団のボスビッグ・ダディの息子ジョニー(ゴリラ)、ストリートミュージシャンのマイク(ネズミ)、彼氏のランスとバンド活動をしているパンクロッカーのアッシュ(ヤマアラシ)であった。しかし、本番の曲目や衣装は全てムーンの独断で決められ、各々戸惑いを見せる。その最中、バスターは賞金が誤って10万ドルと記載されていたことを知り、自力では用意できない大金を工面すべく、大金持ちの息子で友人のエディ(ヒツジ)と共にエディの祖母を訪ねる。エディの祖母は、バスターが劇場主を志すきっかけとなった大物舞台女優ナナだった。バスターは何とかナナをリハーサルを見に劇場へ来る約束を取り付けることに成功する。

一方、アッシュはランスの浮気現場に遭遇し、別れを告げるも落ち込む。ロジータはペアに充てられたブタのダンサーグンターと相性が合わない上、練習と家事との両立にも悩む。ジョニーは練習に参加したいあまりビッグ・ダディの窃盗計画を台無しにしてしまい、結果ビッグ・ダディは収監され、絶縁を宣言される。マイクは自分が賞金を得ると信じて疑わず、10万ドルをダシに銀行からもらったカードを使ってカジノで遊びほうけていた。しかしイカサマがばれ、クマのゴロツキに追われる身となってしまう。恥ずかしがり屋なゾウの少女ミーナは、自身の性格が災いしてオーディションに合格できず、再審査を求めてバスターを訪ねるが、結局任されたのは機器を操作する舞台係であった。

バスターはエディ、ミーナと共に舞台の床とホリゾントを巨大水槽にするという大改装を行い、そこに雇ったホタルイカを踊らせるという演出を施す。やがてリハーサル当日を迎え、エディと共にロイヤルシートに招かれたナナはその新たな演出に引き付けられる。だがマイクの出番になったところで、彼を追っていたクマたちがステージへ乱入、バスターたちが止めに入るも賞金が入っているとされる宝箱が開けられてしまい、10万ドルが準備されていなかったことが皆の前で露呈されてしまう。さらに重量オーバーで床の水槽に亀裂が走り、やがてものすごい勢いで水が流れ出し、やがて劇場は濁流に呑まれ水没、完全に崩壊する。幸い死傷者は出なかったもの、劇場が建っていた土地は銀行に差し押さえられてしまった。

劇場も自宅も失ったバスターは意気消沈し、エディの部屋に引きこもる。皆がそんなバスターを心配して声をかけるが、楽天家だったバスターもさすがに落ち込み皆を傷付けてしまう。その後バスターはミス・クローリーと共に父と同じ職業であった洗車屋を始め、エディも手伝ってくれる。そんなある日、耳に素晴らしい歌声が届いたバスターは洗車の手を止めて歌の聞こえる劇場跡の廃墟へと向かう。そこにはミーナがひとりで立ち、無心で歌っていた。ミーナの歌に心を揺さぶられたバスターは、崩れ落ちた劇場のガレキを撤去し、仮設の野外劇場を作ってそこで改めて公演を行うことを決意する。

劇場を崩壊させた元支配人の無謀な企画に、テレビのニュース番組が冷やかし半分にカメラを回し生中継を始める。ほぼ出演者の身内や関係者のみでボチボチと埋まった客席の中、トップバッターのグンター&ロジータは息の合ったキレのあるダンスと歌で盛り立てる。最初は馬鹿にしていたニュース放送も、演者のパフォーマンスのクオリティの高さにキャスターも引き込まれ、さらにニュースを見た者たちがどんどんと劇場に集まり、やがて場内は満席となっていく。収監先のテレビでジョニーが歌っているところを見たビッグ・ダディは息子の歌の素晴らしさに絶縁を撤回すべく脱獄してしまう。アッシュの出番では銀行員ジュディスが公演を中止させようと伴奏の電源を切ってしまうものの、アッシュは足を踏みならしビートを取りながらギター1本でオリジナルの歌を熱唱し、大歓声を浴びる。無報酬ということで出演を止める気だったマイクも、街中でテレビ中継に熱中する観衆の様子に「俺が本当のパフォーマンスを見せてやる」と舞台に立つ。トリに抜擢されたのはミーナ。最初は緊張で足を踏み出すことができなかったものの、バスターに「歌って(Sing)」と励まされ決心し、歌い出す。彼女の歌は大喝采を浴び、客席にいたナナも拍手を送った。

土地はナナが買い取り、劇場は再建された。
とりあえず、ネズミのマイクをぶん殴ってもいいっすか?パンチ
自分の持ってるキャラを最大限生かして、要領よく世の中を渡ってるんだけど、その世渡り上手なとこがあんまり笑えなくて…。アニメのキャラクター相手に、このクソネズミにもっと因果応報を!と握りこぶしになったのは初めてかも(笑)。
ギャングのリーダーの息子で強盗家業を継ぐことを期待されてるのに、本人はまじめで良い子なゴリラとか、
25人の子持ち主婦がオーディションや練習で留守の間、『ウォレスとグルミット』並みの機械仕掛けで家事をこなしてるのに夫も子供たちも彼女の不在に気付いてないとか、
リアルに置き換えると結構キツいシーンもあって、大人だからこそ観て楽しめる作品でもある。

洋楽に疎いわたしでも知ってる(ということは本当に有名)曲がバンバン流れるし、動物たちの造型はリアルだし、セリフにウィットがあるし、正直小ばかにしててスマンカッタ<(_ _)>
一番感動したのはこれですかね↓

さすがMISIA!全身総毛だったわ。欲を言えば英語で聴きたかった…。

美女と映画

  • 2017.05.05 Friday
  • 22:00
ディズニーアニメ→B.W.ミュージカル、と来て、実写映画化された『美女と野獣』をAYO様と観てきました。
親以外と映画に行くなんてめっちゃ久しぶり。4月にお会いしたとき、「ユアン・マクレガーが出てる」と振ったらおもいっきり食いついてきてびっくりよ(笑)。
そして、旧相鉄ムービルがあんなに混んでるのも久しぶり。さすがG.W.真っ只中のレディースデイ…。

↑今年の正月に海老名のTOHOで撮影






↑先月、川崎の109で撮影

ちなみに赤坂ミュージカル劇場(当時)での四季の公演(1996)、West End公演(1997)、大井町の四季劇場「夏」(2012)と三回観てますので、ミュージカルの曲はばっちり頭に入ってる!
…と次はこの曲が来る!と流れを予測してたら、この映画、いい曲をばっさばっさとカットしまくり〜。
おいおい、「わが家」も「愛せぬならば」もないんかい…。
クレジットでこれでもかとタイトル曲を流すくらいなら、せめてオケだけでもいいから聞かせてほしかった。
それでは、四季初演ビースト役、石丸幹二氏でお聞きください↓


ベル役は、美少女から美女へ奇跡の成長を遂げたエマ・ワトソン。ブラウン大出て、歌もイケてるとか天は二物も三物も(以下ry
アニメの実写化の中でも大成功のキャスティングではなかろうか。
脇を固める訳者は、ほぼベテラン英国俳優で実にわたし好みの配役です(笑)。
ベル:エマ・ワトソン(昆夏美)
野獣:ダン・スティーヴンス(山崎育三郎)
ガストン:ルーク・エヴァンズ(吉原光夫)
モーリス:ケヴィン・クライン(村井國夫)
ル・フウ:ジョシュ・ギャッド(藤井隆)
ルミエール:ユアン・マクレガー(成河)
コグスワース:イアン・マッケラン(小倉久寛)
ポット夫人:エマ・トンプソン(岩崎宏美)
チップ:ネイサン・マック(池田優斗)
マダム・ド・ガルドローブ(箪笥):オードラ・マクドナルド(濱田めぐみ)
マエストロ・カデンツァ(チェンバロ):スタンリー・トゥッチ(松澤重雄)
プリュメット(はたき):ググ・バサ=ロー(島田歌穂)
アガット(魔女):ハティ・モラハン(戸田恵子)
かっこ内は日本語吹き替え版
ベルとポット夫人は『ハリポタ』のトレローニー教授とハーマイオニーじゃないかw
わたしは、ミュージカル版のガストンが結構好きなんですが、そこに『ホビット』の渋かっこいいバルドだったルーク・エヴァンズを持ってくるとはすばらしい。つか、こんなかっこいいガストン、初めて見た(笑)。
ルミエールは、最初から最後までフランス語なまりの英語でしゃべりまくるユアンがなんというかもうほんとに芸達者。ちなみに四季では下村尊則さんが印象深いですね(ああ懐かしい)。
ちなみに舞台では、当然人間が燭台やら時計やら衣装ダンスやらに扮装してるので、ベルとほぼ同じサイズで歌い踊ります。なので、映画で一番驚いたのが、この家具に姿を変えられた召使たちがリアル家具サイズだということでした。箪笥以外、皆ちっちゃい(笑)
村の遠景や城の外観はさすが資金が潤沢なディズニー映画。隅々まで凝っていて大画面で見る価値ありです。
村でフツーに生活してた人たちが、城の召使たちの伴侶だったり、王子をビーストに変えた魔女が村に紛れ込んでたり、ラストまで驚きが隠されてて面白い。
舞台では確か字も読めないアホの子だったビーストが、知識人だったという設定は、本にまるで興味のないガストンとの対比かな。

ところでわたしは、王子の姿に戻ったビーストが、ベルが嫌いぬいてた求婚者(ガストンにあたる人物)と同じ顔だったという衝撃のラストだった、ジャン・コクトー版『美女と野獣』が忘れられない。


〜おまけ〜
英国のマルチタレントJames Cordenの“The Late Late Show”より↓

このベル役のおっさんは、『ワン・チャンス』とか『イントゥ・ザ・ウッズ』に出てる実力俳優。


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Charity with Respect

  • 2017.05.03 Wednesday
  • 19:55
観たら絶対気分が沈むって分かってはいるものの、どうしても観ずにはいられないケン・ローチ作品。
第69回カンヌ国際映画祭でパルム・ドールを受賞した『わたしは、ダニエル・ブレイク』をシネマ・ジャックで鑑賞して来ました(もちろん¥1,100でw)。


こんな楽しくも愉快でもなんでもない精神的苦行みたいな映画をわざわざG.W.に観に行くなんて、(自分含めて)皆、ドMかよ…。
わたしは1時間くらい前に着いて、チケット買ったんだけど既に95番。上映10分前に戻ってみたら…

ジャック132席が満席ですわ。
イギリス北東部ニューカッスルで大工として働く59歳のダニエル・ブレイクは、心臓の病を患い医者から仕事を止められる。国の援助を受けようとするが、複雑な制度が立ちふさがり必要な援助を受けることが出来ない。悪戦苦闘するダニエルだったが、シングルマザーのケイティと二人の子供の家族を助けたことから、交流が生まれる。貧しいなかでも、寄り添い合い絆を深めていくダニエルとケイティたち。しかし、厳しい現実が彼らを次第に追いつめていく。

病気の為、医師に仕事を止められている→給付を受けようとする→「ではまず求職活動をしてください」
…って、意味分からんわ。
求職活動(履歴書を書き、職を探す)→経歴と性格を見込まれて面接に来るよう言われる→「ごめん、仕事するなって言われてるんだ」→「じゃ、何で職探ししてるんだよううう!」

…ほんまそれな。
いわゆる「お役所仕事」の冷たさと理不尽さをこれでもかと描いてはいるんだけど、役所の人間があからさまに見下す態度を取ってるとか、嫌味を言うとか、そういう場面はない。彼らは彼らで与えられた任務を規則通りにこなしていて、応対も説明も本当に丁寧で真面目なのが、逆に救いがない当たり、どこに怒りを訴えればいいのやら。
一人、ダニエルに寄り添ってくれる職員がいてホッとするんだけど、同僚に「前例を作らないで」と注意される始末。
真面目に働いて、税金を納めて生きて来たのに、ちょっとレールから外れたら明日の暮らしに困る生活が待っている。
非正規雇用者にとっては、よその国お話で済まされない。全くもって他人事じゃない…(もっともわたしはあんまりまじめに働いてないのだけども)。
このちゃんともらって然るべき人がもらえない給付金のシステムが、ボンビーだから単発仕事でもいいから稼ぎたいのに、「年収500万以上なければ応募資格なし」とかいうクソくだらない派遣業界に重なるんだわ。
誰のための法律なんだよ!
わたしなんか「尊厳」も「誇り」もないので、無効スレスレの過去の証明書をかき集めても失業給付金をもらう主義ですけど、生活のためのお金より「国民保険番号ではない。わたしは人間。わたしは、ダニエル・ブレイクだ」とまず人間としての尊厳を求めるダニエルの姿の美しいこと。

彼と並行する形で、シングルマザー、ケイティの苦闘も描かれるんだけど、これがまた負のスパイラルというか…。
大学を出る→就職する→結婚する→子供を作る
という一般的なルートの順番を一つでも飛ばすか、逆走するかした途端、瞬く間にホームレスの仲間入り。
さすがに子どもはいないけども、まともな就職をしなかった自分と重なる所があって、いたたまれない…。
彼女が自分の食べるものを減らして子どもに与えるところで、「それあかんやつや」。まず親が食べなければダメなのよ〜。親になんかあったら子どもが困る。
というわけで、ダニエルに連れられて行ったのが「フードバンク」。ああ、なるほど。道理で映画が始まる前にセカンド・ハーベストのロゴがスクリーンに浮かんだわけだ。
ここで空腹に耐えかねたケイティが缶詰を開けて貪り食うシーンで、両隣の人もわたしも嗚咽を堪えるのに必死でした。まさに尊厳も何もあったもんじゃない、獣のような姿。空腹はこれほどまでに人を貶めるわけですよ。

ダニエルが壁に「わたしは、ダニエル・ブレイク」と人間宣言をするところで終わるのかな〜と勝手に思ってたんだけど、ここで終わらせないのがさすがのケン・ローチ。
医療と福祉のねじれをどうにかしようと弁護士が介入してきて、明るい未来が見えたぞというところで、ダニエルは心臓の発作を起こして死んでしまうのです。おいおいおい、マジかよ…。
これは間違いなく、国による一人の善良なる市民の殺人でしょうよ。
そんな風に国や自治体はホントに困ってる人を困ってると認識しないんだけども、ああ、イギリスだなぁって思ったのは、そこらのフツーの若者が、PCを使えなくて難儀してるおっさんダニエルに、ものすごく何気ない様子で手助けしてるとこ。うさんくさい商売を始めた隣人の若者も「困ってたらいつでも言えよな」って、カジュアルにフランクに付き合ってるし。
そういう関係性は、どの作品でも温かい視線で描くんだよね、ケン・ローチ。



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