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三代目徒然なるままボヤッキーニッキー

本で読む「奇想天外」
先月観に行った展覧会「奇想の系譜展 江戸絵画ミラクルワールド」の企画元になった『奇想の系譜』を読了。

著者:辻 惟雄  出版社:ぺりかん社
発売:1988年6月 定価:¥3,600
入手経路:地元図書館にて貸出し

おお、初版本だ〜!
消費税導入の一年前だ〜(笑)。
本の中身はそっくりそのまま展覧会のそれ。
1.憂世と浮世‐岩佐又兵衛
2.桃山の巨木の痙攣‐狩野山雪
3.幻想の博物誌‐伊藤若冲
4.狂気の里の仙人たち‐曽我蕭白
5.鳥獣悪戯‐長沢芦雪
6.幕末怪猫変化‐歌川国芳
あ、プラス白隠慧鶴&鈴木其一、でした。

辻先生の弟子にあたる山下裕二教授がこの本を基に監修したんだよね、確か。
それぞれの画家のバックグラウンドと当時の受容のされ方が改めて分かります。
てか、これ読んでから観に行けばよかったなぁ…。

というわけで、30日に福島へ若冲観に行ってくるわ↓
【GW出発限定】奇才「伊藤若冲展」と会津鶴ヶ城・花見山公園 芸術と自然美の競演 日帰り
| itoyan | − 日本人著者 | 14:20 | comments(0) | - | pookmark |
未来へ
発売からそろそろ1年になろうかという今頃、てか今更?ようやく順番が回って来ました。
未来

著者:湊かなえ  出版社:双葉社
発売:2018年5月  定価:¥1,814(税込)

この著者でこのタイトルだと「みなとみらい」だ、HAHAHA!
…などという軽い気持ちで読んじゃいかんのです。
デビュー10周年の集大成」というだけあって、これでもかっ!と加減を知らないイヤミスっぷりよ…。
でも過去の湊かなえ作品のような「ミステリ」かと問われれば、別にそうでもないんだなぁ。
自分の知恵と力だけではどうしようもできない状況に追い込まれた子供たち、というストーリーは『永遠の仔』に近いものがあります。
いじめに虐待(性的なのも含む)、偏見、差別、貧富の差…。確かに、ありとあらゆる不幸の「集大成」ではある。
ほんの少しだけかすかに見える希望が「未来」に繋がっているんだろうけども、それにしたってもはや「イヤミス」ですらない、虐待サバイバーの話じゃん。
わたしが読みたい「イヤミス」は、親にさえ救ってもらえない子供の話じゃないんだよう…。

読み終わって思ったのは、お父さんはあのお母さんと子づくりすべきじゃなかったのでは?
あれじゃ自分に何かあった時に(実際何かあったんだけど)、お母さんの世話を押し付けるために子ども作ったみたいで、章子が不憫…。
| itoyan | − 日本人著者 | 22:00 | comments(0) | - | pookmark |
なんもしない人
最近バズっててフォローし始めました。
最初、便利屋さんみたいな感じかな?と思ってたんだけど、ほんっとーに「なんもしない」っぽい。
ただそこに居るってだけ。
差し障りのない範囲で、業務内容(?)をツイートしてくれてるので、どんな人がどんなふうに活用してるのか伺い知れるんですが、短編小説かエッセイ読んでるみたいでした。フィクションじゃないのに妙にフィクションっぽくて、単純に面白い。多分映像化もイケる。


でも真面目な話、「なんもしない」って難しいですよ。

相手に特に共感もせず、嫌悪感も持たず、自分の存在を主張せず、フラットにそこに居続けることが出来るって特殊スキルだわ。
誰でも出来る事じゃないから引く手数多なんだろう。
で、わたしならなんの目的でレンタルさんをレンタルするかなと今日一日考えてたんだけど(←仕事しろ)、見事に思い浮かばなかった。
とりあえず一人で何とかなることばっかだし、誰かとトラブるほど深い付き合いもしてないんだわ。 なんかちょっと残念だなー。
| itoyan | − 日本人著者 | 23:12 | comments(0) | - | pookmark |
浪華の花
やっと順番が回って来て、読了。
左近 浪華の事件帳 3 影の泣く声


著者:築山桂   出版社:双葉文庫
発売:2019年1月 定価:¥630(+税)
入手経路:地元図書館にて貸出し

そもそもこの最新刊を書店で見かけたのがきっかけで、このシリーズを借りたんだった(^^ゞ
相変わらず、何も仕掛けなくても事件がわざわざやって来て、些細なきっかけが大事件に発展する左近殿であった…。
ま、主人公とは得てしてそうしたものよ。ヘタレ章もそうだったもんねぇ…。
生まれと育ち故に一族から疎まれている、真相から蚊帳の外、大事なことは何一つ教えてもらえない厄介者…と孤独の影が付きまとうヒロインですが、読者は知っています。
敬愛する兄・弓月王からこの上なく大事に思われていることを!

つーか、気付けや…って多分、皆、ツッコんでるよね。

そういえば、NHKのドラマで主役の章を演じてた窪田くんが、来年のAK制作朝ドラ主人公決定じゃないですか!→「主演・窪田正孝「エールを届けたい」と思いを語る!
これを機に是非『浪花の華 〜緒方洪庵事件帳〜』再放送を!

ていうか、左近殿のシリーズも、NHKでまたドラマ化してくれないものだろうか…。
| itoyan | − 日本人著者 | 21:10 | comments(0) | - | pookmark |
世界は愛でいっぱいだ
2016年10月12日から2017年9月29日まで読売新聞朝刊で連載された『愛なき世界』を単行本にて読了。

著者:三浦 しをん  出版社:中央公論社
発売:2018年9月   定価:¥1,600(+税)
入手経路:地元図書館にて貸出し

連載中から結構気に入ってて、初回から最終回まで全部切り抜いたほどなんだけど、正直、この話は新聞連載には向いてなかったんじゃなかろうか。
この小説のヒロインが大学院の博士課程で植物学を研究するいわゆる「リケ女」で、研究課程の詳細な描写が日によって延々と続くわけですよ。単行本として一気に読む場合は、そういう何度読んでも理解しかねる箇所(←文系脳だから)は飛ばし読みすればいいんだけど、連載時にそこすっ飛ばすと、次の日からもう読む気がなくなるんですわ┐('〜`;)┌. ヤレヤレ (例:ウチの母)
わたしも切抜きしつつも、なんかつまんないな〜と思う日も無きにしも非ずでした。

というわけで、今回久しぶりに読み通して、しかもまとめて一気読みしてみたら、これが…すっげー…面白かった!

勿論、加筆修正も施したんでしょうけど、なんだろ。やっぱ、しをんさんは連載より書き下ろしタイプなのかもなぁ。
ちなみに今、読売朝刊の連載小説は浅田次郎ちゃんの流人と護送人の東北旅物語なんだけど、次郎ちゃんはほんとに翌日へのヒキが上手くって、毎朝楽しみなんですよ。(*感想は個人差があります)

まぁ、そんなことはどうでもよくって。
非モテじゃなくて、そもそも恋愛そのものに興味がない女子って、しをんさんと逆のタイプじゃないかと思うんだけど(笑)、同じく全く恋愛したいと思ったことがないわたしはシンパシー感じまくりです。そうなのよ。とにかく自分の好きなことに熱中できれば、その他のことはどうでもよくなる。
わたしの興味の対象は、意思と感情のない植物ではなく、人間が出てくる文学ではあるけれども、周りにいる生身の人間に関しては、小説のヒロイン同様、割とどうでもいい(え)。

理系って、研究対象が決まったら、観察と実験で論文が書けちゃうっていいなぁ。
ヒロインの実験が一見、上手く行ってニマニマしてる脇で観葉植物が枯れてました…って描写があるんだけど、
「この一文が暗示するものは何か、次から選べ」
みたいな問題作っちゃうな、わたしが現国教師なら。って小説読みながら思っちゃう自分の文系脳が恨めしかった。
| itoyan | − 日本人著者 | 21:40 | comments(4) | - | pookmark |
風と共に謎解き
先月の『100分de名著』が興味深かった『風と共に去りぬ』。
「指南役」として出演されていた、新訳の訳者によるより詳細な解説本を読了。
謎とき『風と共に去りぬ』―矛盾と葛藤にみちた世界文学―

著者:鴻巣友季子 出版社:新潮社
発売:2018年12月 定価:¥1,400(税込)
入手経路:地元図書館にて貸出し

なるほど。年末にこれを買って、年始の『100分de名著』に備えるというのが正しい冬休みの過ごし方であったか…(笑)。
ただ、エッセンスは全て『100分de名著』で披露してた感じなので、その辺のまとめ方ははさすがEテレである。
選書の方は、より詳細に原作者ミッチェルのバックグラウンドに触れてたかな。
「南部の貴婦人たれ」と「女でも知性を磨け」という圧迫を母親から受けて育ったミッチェルの自己矛盾が、スカーレットとメラニーというダブルヒロインに注がれたという経緯があるんですね。
映画のスカーレット(というかヴィヴィアン・リー)が強烈すぎて、ほとんどの人がメラニーのことなんかうすらぼんやりとしか印象にないと思うんだけど、原作を注意深く読めばどっちかが凹んでる時はどっちかが叱咤激励するという補完関係が読み取れると。
あと、原書では地の文から抽出話法で登場人物の心の声が漏れ聞こえるという文体についての記述も非常に面白かった。

わたしが大学に入った頃って、『風と共に去りぬ』みたいな小説は卒論で書くに値しない〜的な風潮だったんですが、それが覆されるような、もっと研究対象にしてもいいという訳者のメッセージが伝わる本でした。

…って、『赤毛のアン』で卒論書くんじゃい!と押し通したわたしが言っても何の説得力もないか(笑)。
| itoyan | − 日本人著者 | 23:09 | comments(0) | - | pookmark |
正義の味方
ドラマが始まったばっかなのに、待ちなしですぐ借りることが出来ました。皆、ドラマやってんの、知らないのかしら。
絶対正義

著者:秋吉 理香子   出版社:幻冬舎
発売:2016年11月   定価:¥1,400(+税)
入手経路:地元図書館にて貸出し

なんと!
読み始めてすぐ!
壮大なネタバレが!(笑)
いや、わたしはネタバレ大歓迎派、ていうかむしろ積極的に地雷を踏みに行く派なので、全然気にならないんだけどさ。
ドラマは

1.高校時代から時系列的に始まってて(時々現在を挟んでいたけど)
2. 仲の良かった五人が大人になって再会して
3. 不穏な空気が流れ始め
4.この先何がどうなるか分かんない←今ココ
って流れで、結末に向かってワクワクするという意味で正しく連ドラのプロセスを踏んでる。
原作は一通の招待状を受け取ったかつての旧友たちが、過去を回想し始め、最終的に秘密が暴かれ、The End。
経緯は違っても中身は結構原作に沿ってますが、範子の正義感のせいで辞職に追い込まれた高校時代の先生は原作では其のままフェードアウトなのに、ドラマでは次回大活躍しそうじゃないですか。
正直、原作通りに進むよりはちょっとアレンジした方が面白そうなので、期待大です。

「友人が間違ってるなら私が正してあげる」
そこまで正義に酔ってるんなら、友だちだけじゃなくて国民全員を糺すくらいの気概で警察官なり裁判官なり検事なりになればよかったのに、と思うのはわたしだけ?
ていうか、その法知識、どこで身に付けたんだ?Why範子〜って、厚切りジェイソンもツッコんでたけど、自分が見える範囲だけで正義を振りかざしてるのがちっちぇーんだよ。

そうそう。
本編が終わっても、ジェイソンの叫びを見るまでがドラマですお。
| itoyan | − 日本人著者 | 14:20 | comments(0) | - | pookmark |
烏百景
「八咫烏シリーズ」の外伝『烏百花 蛍の章』読了。

著者:阿部智里  出版社:文藝春秋社
発売:2018年5月  定価:¥1,400(+税)
入手経路:地元図書館にて貸出し
「しのぶひと」(「オール讀物」2016年7月号)
「ふゆきにおもう」(「オール讀物」2017年1月号)
「すみのさくら」(「オール讀物」2017年7月号)
「まつばちりて」(「オール讀物」2018年1月号)
「わらうひと」(書き下ろし)
「ゆきやのせみ」(書き下ろし)
あ、そういえば、半分は「オール讀物」で既読だったわ。
なんか作者は真赭の薄推し、出版社は若宮と雪哉のコンビ推しという気が透けて見えて、ちょい興醒めの部分もなきにしもあらずですが、わたし的にハマったのはそいつらの関わりない所で話が動く「まつばちりて」でした。
これは知らん間に「オール讀物」掲載で初読だったのと、成り上がって行きついた先が破滅だった「女の一生」なのに、互いに知らずに想い想われたという設定にグッときて思わず二度読みしました…。
顔も名前も知らず、ただ書蹟だけで魅かれていく…。平安文学知ってたらあるあるすぎて馴染みが深い。
ふたりが幸せになれた可能性もあっただろうに、ほんの少しのかけ違いで崩れていく未来。それでもただ一つ、希望が残りました…って「パンドラの箱」みたいだけど、かすかに見えた光のラストもよかった。

ちなみにわたしは浜木綿が好きらしいです(笑)。
| itoyan | − 日本人著者 | 21:40 | comments(0) | - | pookmark |
浪華の左近
こないだ(病む前)、書店巡りをしていたら、平積みになってる新刊の中に懐かしい名前を発見!

おお、久方ぶりや。左近殿!(←脳内イメージは勿論、栗山千明)

その昔、NHKで『浪花の華〜緒方洪庵事件帳〜』って時代劇をやってて、今や若手実力派俳優と名高い窪田正孝をわたしが最初に認識したのは、『花子とアン』でも『平清盛』でもなく、このヘタレ蘭学者役でした。
左近殿は、ヘタレ章がおろおろと事件に巻き込まれる中、果敢に解決に動く男装の女剣士にして、四天王寺を拠点とした渡来系の楽人一族の長、弓月王の異母妹。
そうか、左近が主人公のシリーズ最新刊が出てたのか…と今更知ったので、早速検索してみたら図書館に先行二作品があったので、借りてみた次第。

左近 浪華の事件帳 1 遠き祈り

著者:築山 桂  出版社:双葉社
発売:2018年8月(オリジナル:2011年5月) 価格:¥680+税
入手経路:地元図書館にて貸出し

左近 浪華の事件帳 2 闇の射手

発売:2018年8月(オリジナル:2012年2月) 価格:¥630+税

これは…時系列的に『浪華の事件帳』より前なのか?前だな、うん。
章が主役の時はいつも颯爽ときっぱり迷いなく行動していたあの左近がまだ18の小娘、且つ、なんだかドジッ娘だぞ(笑)。
ヘタレとは逆方向だけど、邪魔やったりヘタ打ったり痛手を負ったり、やらかしてんなぁ、左近殿。
わたし、この表向きは舞楽を披露する楽人で裏の顔は大坂の町を陰ながら守る武人集団っていう設定が大好きで、四天王寺まで行ったんです。ええ、わざわざ。なにしろ、「伶人町」って住所表示だけで萌えたからね(笑)。

てか、ブラコンが過ぎる男装の姫と、いささかツンデレ気味のパーフェクトな兄貴と、兄貴の片腕で異母妹の世話係の幼馴染みって、どんだけラノベ要素満載の時代小説だ(笑)。
どんだけ危ない目に遭っても、ギリギリのところでいつも「遅いぞ、若狭!」の安心感が、もっとアレな時にはまさかの兄上もヘルプに来るという信頼感があるので、あまりキリキリしないで読み進めることができますねん。

ちなみに、わたしが『浪花の華』のドラマを観て、原作まで読んだのは、月9に出たのはいいもののセリフと出番が少ない虎ノ介が、最終二話にめっちゃ良い役でゲスト出演したからです。
ほんま頼むわ、フジテレビ〜。
| itoyan | − 日本人著者 | 19:45 | comments(2) | - | pookmark |
原作漫画一気読み
昨年観たドラマ『昭和元禄落語心中』の原作漫画を地元の図書館で一気読みして来ました(禁帯出だから)。
全10巻、約3時間!漫喫じゃないから無料!(笑)

原作:雲田はるこ     出版社:講談社
連載期間:2010年〜2016年 入手経路:地元図書館にて読了

おおおお、意外と?原作から逸脱しないでドラマになったんだなぁ。
目立った違いと言えば
・上方落語の噺家親子萬歳・萬月が江戸落語の噺家に
・追っかけ落語研究家を満月が兼任
・小夏が真相を全部知っちゃった
くらいか。
ドラマじゃわりとサラッと流してた小夏の子の父親は、やっぱりあの人だったんだ〜。
ていうか、「漫画」というジャンルを超えてもう立派な「文芸」だよ、これ。そこらのラノベよりよっぽど読み応えのある「文学作品」でした。

原作読み終えて改めて思うんだけど、全体の半分以上の主人公がじじいの落語家だっていう話をよくぞ最初から最後まで岡田君主演で乗り切ったな、と。
回想と現在で役者を使い分ける方が安全パイなのに、NHKも岡田君も頑張った!(笑)
長年原作を愛読していた方々には、あそこが違うとかここがヘンだとか色々文句もありましょうが、原作読まずにドラマを観たわたしには、(CM入らないから)一瞬たりとも目が離せない良質なドラマでしたよ。



| itoyan | − 日本人著者 | 16:25 | comments(0) | - | pookmark |
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