120年のプリンセス
書店で平積みされてた真夏の頃に、表紙絵に惹かれて図書館で予約した本を、ようやく読了(遅)。

政略結婚

著者:高殿 円    出版社:KADOKAWA
定価 ¥1,620(税込) 発売:2017年6月
入手経路:地元図書館にて貸出し

江戸末期の金沢・前田家のお姫様、明治・大正時代の華族の外国帰りのお嬢様、そして昭和の落ちぶれた華族女優。三人を繋ぐのは、九谷焼の「てんさい(砂糖大根)」の絵皿だった…。

こういう、本人たちには関係性が分かってないけど、読者には「おお、あの時のあの皿〜」とか「あ、さっきの話のあの人の末裔がここに〜」とかを発見するタイプの小説、大好物です。
それぞれヒロインによる一人称小説ですが、自然で滑らかな語り口で嫌味がなく、だからわたし別に一人称小説が嫌いってわけでは以下(ry
前の世代とおんなじことをやってればよかったところに降りかかる、御一新やら金融恐慌やらで、それまでの価値観がグラッと崩れる時代を描いた小説っていうのは、本当にドラマになる。ただ、この小説のヒロインたちは皆、そういう不確かなものに自分自身の存在を振り回されたりはしないのだけど。
三人とも、一見流されてるようで、ちゃんと自分の足で立っている辺りが好ましかった。

ただ、これ、タイトル「政略結婚」でいいのか〜?
三番目なんか生涯独身で結婚の「け」の字も出てこなかったぞ。
作者が「ある日、タイトルは作家のもとに降ってきた」って【著者インタビュー】で語ってるから仕方ないんだろうけど、キーワード的には「政略結婚」じゃなくて「九谷焼」じゃん。
しかし、それではタイトルとしてインパクトがないし、まずもって書店でわたしが目に留めなかったであろうから、ある意味『政略結婚』で正解だったのかもしれない…。
− 日本人著者 | 21:40 | comments(0) | - | - | - |
The World Without Love
昨年10月12日から、読売新聞誌上にて連載されていた『愛なき世界』(三浦しをん)が、本日最終回を迎えました!
ということで、毎朝切り取る作業も本日を以って無事終了。

↑全344回(欠損なし)

植物の世界に恋しちゃってる本村さんがフラフラ藤丸くんの求愛を万が一にも受け入れて最終回はハッピーエンド(はぁと)とかだったら、わたしはこの切り取りをゴミ箱に投げ入れるぞ!
…と危惧してましたが、どうやら藤丸の想いは受け入れられないまま終わってくれてホッとした(笑)。
この永遠に交わらない平行線だけど、互いの世界を認め合う関係性が好きだ。

にしても、純文系人間のわたしにはT大大学院における植物学研究内容がばばばばーっと語られるだけの日は、脳が理解を拒否してしまい、さっぱりわからないままでした。
書籍化されたら状況は変わるのかもしれないけど、新聞連載だとほんとに事実の羅列だけで終わっちゃう日もあって、今日は何の話じゃい?とすっきりしないまま一日のスタートなのはいかがなものか。
実験を間違えて焦ってた時期の話は「えーっ、どうなっちゃうのー!」とおもしろかったんですけどね。

書籍化されたら是非、図書館で借りて読みたいものですが(←買えよ)、大幅加筆修正の上、中央公論社から単行本発売!ってとこですかねぇ。
− 日本人著者 | 17:45 | comments(0) | - | - | - |
英国のお菓子
買おうかな〜どうしよっかな〜…と悩んでる間に、図書館が買ってくれてた本を読む。
物語のティータイム お菓子と暮らしとイギリス児童文学

著者:北野佐久子 出版社:岩波書店
発売:2017年7月  定価:¥1,800(+税)
入手経路:地元図書館にて貸出し
取扱い書籍
『ライオンと魔女』
『楽しい川べ』
『秘密の花園』
『リンゴ畑のマーティン・ピピン』
『クマのプーさん』『プー横丁にたった家』
『ツバメ号とアマゾン号』 
『時の旅人』 
『ピーターラビットの絵本』 
『トムは真夜中の庭で』
『くまのパディントン』 
『風にノッテキタメアリー・ポピンズ』

迷ってた理由は、既にこーゆー本を持っているからです↓



「英米児童文学」ならいざ知らず、「イギリス」縛りだとそんなに数が多いわけではないので、かぶりまくりなんですわ。
お茶の時間を詳細に描写する児童文学って、実は北米の作品の方が日本でポピュラーに翻訳されてるよね…と、こういう時に気が付くんですよね。

しかもワタクシ、同じ作者の

なんて本も持ってたりなんかするので、もう買う意味がない(笑)。

ただ、エリナー・ファージョンの『リンゴ畑のマーティン・ピピン』は全く知らなかったので、収穫でした。
これは早速借りて読んでみよう。
そしてレシピを参考に、「アップル・クランブル」を作ってみよう。
− 日本人著者 | 13:30 | comments(0) | - | - | - |
4×4=文六
そういうわけで(前日参照)、読んでみた。
悦ちゃん

著者:獅子文六  出版社:筑摩書房
発売:2015年12月 定価:¥880(+税)
入手経路:地元図書館にて貸出し

*初版:1937年3月  発行元:大日本雄辯會講談社

すごい…。昭和12年の小説なのにめっちゃ笑える!
これ、ドラマを観てようが観てなかろうが、とにかくお勧めしたい!
会話やシチュエーションが面白い小説なら山ほどあるけど、地の文で笑える小説ってなかなかないですよ。なんだろう、落語のやり取りみたいな生きのいい語りが肌になじむというか、言い回しの古さを除けばライトノベルの感覚で読めるというか。
面白いなぁと思ったのが美人を見て「シャンだぜ」っていうのがよく出てくるんですけど、これドイツ語のschön(美しい)のことですよね。
最初何の事だかわかんなかったんだけど、「バックシャン」て言葉を思い出して、ようやく意味を推察できました(これもよく考えたら【back(英語)+schön(ドイツ語)】で変な言葉だな)。
悦ちゃんの言葉遣いも、今っぽい男の子言葉を使ってたり、そうかと思うとナチュラルに山の手言葉でしゃべってたり、子供っぽいのか大人びてるのか分かんなくなるあたりがユニークです。

肝心のストーリーは、悦ちゃんが新しいママを探すというのは同じだけど、出てくる人間が(村岡先生と鏡子さん一家を除いて)ドラマよりサイッテーなヤツばっかです(笑)。
碌さんですら、悦ちゃんを残してカオルさんを追いかけて一人、京都まで出奔する始末。
そのカオルさんは夢月とデキちゃうし、鶴代さんの夫は収監されちゃうし、婆やはぎっくり腰じゃなくて柳家に愛想尽かして出てっちゃうし、ちょっと悦ちゃんの状況が悲惨すぎて、こんなのこのままドラマ化したらただでさえ低い視聴率がどん底まで行っちゃうわ…。
わたしは原作厨だけど、カオルさんにも夢月にもちゃんと視聴者が愛せる部分を見せてくれるこのドラマの改変は、なかなか良いと思います。

悦ちゃんの歌声が子供らしくなくて、マレーネ・ディートリッヒみたいだって言う描写があるんですが、ドラマの悦ちゃんまんまじゃないかー。オーディションのキモはもしや、ここか?(笑)。

FYI:「獅子文六特設ページ
− 日本人著者 | 15:40 | comments(0) | - | - | - |
April comes she will…

この曲が全体のモチーフになってる小説、『四月になれば彼女は』読了。

著者:川村 元気  出版社:文芸春秋社
発売:2016年11月 定価:¥1,400(+税)
入手経路:地元図書館にて貸出し

ちょっと、聞いてくださいよ。
この本をリクエストしたのって、今年の1月3日ですってよ…(*_*)
今年も残すところあと4か月だよ…。
人気あるんだねぇ…。
もうすっかり、借りようと思った理由も忘れちゃったよ!(笑)

あ、ブクマから見つけた。理由はこれだ→「ディーン・フジオカさん、川村元気氏と語る。」(←なんてわかりやすいミーハーww)
「UOMO」もさぁ、おディーン推しの編集長が代わった途端、UOMOキャラクター卒業+連載終了って、ちょっとなんだかアレよねぇ…。
ま、元々わたしは「LOADED」の方が好みだったからいいけどさ…って、関係ないっすね。


この著者、東宝の映画プロデューサーだったのか。
2005年、26歳で映画『電車男』を企画・プロデュースし、37億円の興行収入を記録した。(Wikipediaより)
ってすごいな。道理で映像が目に浮かびやすい小説なわけだ。
「恋愛小説」なんだけど、誰も「恋愛」してないってのが肝ですかね。
「非恋愛体質」のわたしからしたら、むしろ「恋愛してない結婚生活、いいじゃん」とか思っちゃうので、まったく違和感なく読んでたら、自分とも誰とも向き合ってない主人公の婚約者が、披露宴前に一人でどっか行っちゃったところで、「なんだ、推奨してたわけじゃないのか」とようやく気づきました(笑)。
ここに至る過程を、学生時代の元カノとの思い出と婚約者との淡々とした結婚準備を交錯させて、過去の恋愛で燃え尽きちゃった主人公の虚無感が、イライラするほど伝わってくる。
で、まぁ、そんな「言いたいことも言えないこんな(ry」な主人公と婚約者の関係も、昔のように破たんするのかと思いきや、「死せる元カノ、生けるカップルを(インドへ)走らす」で、救ったのでした、って感じか。

HAPPYな予感で終わる小説は嫌いじゃないんだけども、婚約者が主人公宛に来た元カノの手紙を読んじゃったり、行き先告げずに失踪のようにいなくなったり、そもそも披露宴キャンセルっていったいどんだけの関係者の予定を狂わせてるんじゃい!と突っ込みたくなった時点で、ああ、ほんとにわたしは恋愛に縁のない女…と思い知りました(笑)。
− 日本人著者 | 21:05 | comments(0) | - | - | - |
明治の女学生
明治乙女物語』読了。
図書館にリクエストしてた「ストリートキャット」二冊と「症候群」シリーズ三冊とこの本の順番が一挙に回ってきて、この数週間、ホント大変でした。
ようやく最後の一冊を期日ギリギリに読み切って、おかげで今日は寝不足で

目が、目がぁ〜!@ムスカ

第24回松本清張賞受賞作

著者:滝沢志郎   出版社:文藝春秋
定価:¥1,400(+税) 発売日:2017年7月7日
入手経路:地元図書館にて貸出し

書店で平積みになってるのを見かけて、すぐ読みたくなった本(でも買わないw)。
明治21年の東京、御茶ノ水にある高等師範学校女子部と鹿鳴館が舞台です。
表層は、当時のハイカラ女学生たちの友情物語なんだけど、作者の言いたいのはそこじゃないから、せっかくの百合風味の女子の固い絆は物足りないくらい。
女子が高等教育を官費で受けている意味と、文部大臣の思惑…。「女子教育」とは何なのかという根本を2017年にもなって、突きつけてくるような小説です。

ちなみにその文部大臣とは「薩摩スチューデント」の一人、森有礼。

↑前列向かって左、足組んで座ってるのが森くん(18歳)。
写真にいないけど、引率の五代様は29歳(←隙あらば言及せずにはいられない病)。

時の総理大臣は当代きっての好色一代男伊藤博文。
高等師範学校の校長は会津の山川浩(大蔵)、女子部の舎監はその姉、二葉。彼らの妹は大山巌夫人捨松。
学校に仕掛けられた爆発の捜査にやってきた警部は、藤田五郎こと斎藤一(←全員『八重の桜』キャストで余裕で再現可能w)。
ま、この辺は史実通りだし、明治政府の高官は皆、幕末の志士の生き残りだから「狭い世界」でも不思議はないんだが、ヒュースケンが芸者に産ませた息子に、その子を可愛がる唐人お吉とかはちょっと設定盛りすぎ〜。
あんまり盛りすぎると、いい感じにフィクションとノンフィクションの狭間にあったストーリーが、一気に安っぽくなっちゃうんだよ…。
ま、その盛りすぎ具合が「松本清張賞」の伝統なのかもしれぬ…(^^ゞ

ヒロインの一人は横浜元町の家具屋の娘ってことで、御茶ノ水に来る前に通ってたのがミッションスクールの「赤い風車の学校」ですって!
ああ、あそこかと推測できる神奈川県民w
あと、女子高等師範の生徒たちが鹿鳴館に駆り出される際に、ドレスを縫いにやって来たのが共立女子職業学校の生徒たちなんですが、ここは正岡子規の妹、律が学んだ学校なんですよね。明治38年入学だからずっと先の話ですが。
着物の生地から仕立てて鹿鳴館って、どっかの漫画で読んだなぁ…(笑)
ちなみに日本初の女子大学校ができるのは明治34年なんですが、ヒロインの一人が学長になるとかいう壮大なホラが後日談として出てきてびっくりぽんや!(笑)

ちょっときな臭い事件モノではあったけど、国策の通りになんかならないという女子の心意気が気持ちいい小説でした。
− 日本人著者 | 21:20 | comments(0) | - | - | - |
症候群シリーズ一気読み
今日からハケン仕事も後半戦。
合間の貴重な休みに何してたかと申しますと、6月までCXとWOWOWで放送してた玉鉄とタニショーのW主演ドラマの原作をぶっとーしで読んでました(疲)↓
「症候群シリーズ」
著者:貫井徳郎 出版社:双葉社
入手経路:地元図書館にて貸出し

失踪症候群

発売日:1998年3月12日   定価:¥619+税

誘拐症候群

発売日:2001年5月15日   定価:¥667+税

殺人症候群

発売日:2005年6月14日   定価:¥952+税

Oh!なんということだ…。環課長がめっちゃノーマルな人に見える(笑)。
あれさ…ドラマの環が設定以上にヤバい人に見えたのは絶対渡部篤郎のせいもあるよね。
ていうか、原作では環の存在ってあんまり目立たなくて、最後の『殺人症候群』のラストでやっと、そのヤバさが発揮されてるって感じ。
って、それよりも!ビックリしたのが、ドラマの玉鉄の役って、原作だと三人いる環の部下を一人に統轄して出来上がったんだねー。
そりゃまぁ、警察外部組織の非合法捜査をも厭わない仕事は三人くらいで分担するのがリアリティあるけど、妹を未成年に殺された設定とか、娘に言えなかった警察を辞めた経緯とかもドラマの方が説得力あったような。
あとドラマの設定を知ってたんで、タニショーが演じた鏑木って実は…っていうのは途中で勘付いちゃったんで、そこだけはドラマ観るより前に読んどきゃよかったと思いましたね。

わたしは原作厨なんで出来上がった映像化作品を評価することはあまりないんだけども、Part1の進行具合が原作を『誘拐』→『失踪』→『誘拐』でうまく切り貼りしてて、ものすごく脚本がうまいな〜と逆に感心しちゃった。
誰かと思ったら、『まれ』の脚本家じゃん。

WOWOWの第一話分しか観られなかったので、続きが気になって『殺人症候群』を読むために、全シリーズを読んだのですが、やっぱ三作目は重いわ…。
昨日、やってた『昔話法廷』と比べるのはどうかとも思うんだけど、法による裁きがアテにならない被害者家族の想いとか、「司法に代わっておしおきよ!」がどんなに正当化されようとやっぱりそれは罪なんだとか、もうぐったり。
おまけに、いろいろむごい描写が続くので読んでてツラい。この暴力シーンはさすがに映像化してないよねぇ?
あんまり万人にお勧めしないけど、ドラマを観て気になった方は読んで損はないと思います。別物のようであり、根底は同じというか、実に読み応えのある作品でした。

疲れるけど!
− 日本人著者 | 22:25 | comments(0) | - | - | - |
悪の華咲く平安京
好評だった春の再放送を受け、本日よりチャンネル銀河にて『平清盛』再びの再放送でございまする…。


わたしは観られませんけど!

そんな憂さ晴らしに読んだ本が、『清盛』キャストで脳内再現余裕だったので、ご紹介→『悪左府の女
え?悪左府の「男」じゃないの?と思ったアナタ!「海の底の民」ですね?(笑)


著者:伊東 潤  出版社:文藝春秋社
発売:2017年6月 定価:¥1,750(+税)
入手経路:地元図書館にて貸出し(父が)


いや、わたしも予約リストに入れてたんだけど、父の順番の方が早くて、そのまま読ませていただきました(自分のリクエストはキャンセルした)。
藤原摂関家の皆様、美福門院得子、ダメ義さん、信西入道あたりは『清盛』キャストでそのまま再現可能です。
義朝は、関東に行ったっきり、尚且つ、ダメ義さんに「いらない子」扱いされてて若干不憫。清盛は、伝統的な悪のイメージかな。
意外だったのが、飲んだくれでやさぐれすぎのすとっくん(崇徳上皇)。もう彼に関しちゃ、井浦氏のイメージ強すぎ〜。

「悪左府」というからには、ヤマコーの話かと思いきや、実質主人公はその藤原頼長にお家再興を約束され、引き換えに彼の養女で近衛帝の皇后である多子の代わりに、近衛帝の皇子を産むミッションを負った、琵琶の名手の春澄栄子。
この栄子が悉く「醜女」扱いされてるんだけど、当時の美の基準ってすごいですよ↓
「醜女かどうかは、個々の顔立ちによるのではなく、顔や姿形の類型的な分類によって決まる。つまり栄子のように色黒で背が高く、目鼻立ちがはっきりしている女性は、一様に醜女とされた」
「身長は高くても五尺(約152センチメートル)、髪の毛は直毛で、顔の色は白ければ白いほど喜ばれ、頬は下膨れがよいとされた。さらに目は細く切れ長で、鼻は小さく低く、唇は薄く体全体がふっくらしていれば申し分ない」(P.17)
つまり、栄子は現代で言えば「小顔で二重の大きな瞳、高い鼻、はっきりした頬の線、良く伸びた手足のモデル」の超美人!
…平安時代の美的感覚、おそるべし。

近衛帝は目が悪いので、美醜を越えた管弦の同志として栄子を傍に置き、結果頼長の思惑通り、栄子は身籠るのですが、時は保元の乱前夜。近衛帝は急死し、藤原摂関家の栄華も(鸚鵡と共に)地に堕ちる。
面白いことに小説中で「醜女」とことあるごとに言われ続けてるわりに、栄子は、頼長の手先、頼長の息子(師長)、ダメ義さんの四男(頼賢)、近衛帝、それから清盛には「美女」認定され、いよいよピンチ!というときには彼ら(清盛以外)の助けで何とか切り抜けます。
栄子が産んだ男の子は長じて、栄華を極めた相国様の御前にて、王家の者以外の悪しき心の持ち主が聴くと滅びるという秘曲「啄木」を見事な琵琶で聴かせたのでした…(察し)。

さて、その子は一体誰でしょう。

− 日本人著者 | 22:15 | comments(0) | - | - | - |
一人でも愛ルランド
昨日届いた“Orphans”だけでは送料がかかるので、一緒に頼んでとっくに届いてる本がこちら↓
絶景とファンタジーの島 アイルランドへ

著者:山下 直子  出版社:イカロス出版
発売:2017年5月 定価:¥1,728円(税込)
入手経路:紀伊國屋書店オンライン

ガイドブック的な本のわりに高いなーと思って、買うのを躊躇してたんだけど、買ってよかったです。
全編にわたってオールカラーだもん、そら値が張るわ。
日本のクソ暑い夏にパラパラとめくって、緯度の高い国の美しい写真を眺めていると、しばしの間現実逃避ができます。脳内で勝手に次の旅行の計画がどんどん立ってゆく〜。来年か再来年辺り行きたいようー。
歩いててあまり迷うことなく目的地にたどり着けるのが英国ならば、どんどん脇道に逸れて自分がどこを歩いているのか分からなくなるのがアイルランドです。
これを、妖精のしわざという(知らんけど)。

著者はアイルランド在住の公認ナショナル・ツアーガイド。
よく言われてるけど実際のところどうなのよってところを、きちんと説明しているところが、さすがのガイド魂。
アラン島の漁師が、死んだときに身元が分かるように来ていたのがアランセーターとかいう謂れを、「浮き彫りのような模様は網や針に引っかかりやすいので」漁師にゃ不向きとバッサリ切ってて爽快でした。
− 日本人著者 | 19:30 | comments(2) | - | - | - |
Yokohama War
横浜の書店と言えば、唯一無比の有隣堂。

というわけで、『横浜大戦争』読了。


著者:蜂須賀敬明  出版社:文藝春秋社
定価:¥1,800+税 発売:2017年6月
入手経路:地元図書館にて貸出し(*横浜市に非ず)

横浜大戦争って言っても、横浜で戦争がおっぴろげられるという話ではない。
ある日突然、横浜の大神様が「横浜の中心がどこかを各区を守護する神々でバトルロワイヤルで決めるが良い」と通告したことから、18人の神様が争ったり、戦線離脱したり、阻止したり、防御したりする話。
ストーリー自体を楽しむというより、擬人化された18の区の個性を楽しみ、ツッこみ、あるあると納得するのが正しい読み方です。
そんなわけで、楽しめるのは圧倒的に

横浜市民>神奈川県民>>>越えられない壁>>>他県民

そもそも他県にこの本が置いてあるのか、はなはだ疑問であるが。

わたしも一応、横浜の大学に通ったり、横浜の会社で働いてみたり、横浜で遊んだりする程度には横浜に馴染んでる人間なので、そこそこ面白かったけど、それぞれの区の成り立ちなど、この本で初めて知ったことも多かったです。
元々の横浜の区は5つしかなくて、そこから
・保土ヶ谷(兄)→旭(弟)
・中(姉)→西(弟)
    →南→港南
      →泉
・神奈川
・鶴見
・磯子→金沢(弟)
と増えて行ったり、
港北区から緑区ができ、さらにそこから都筑区と青葉区がまた生まれたり、
戸塚区から瀬谷、栄、泉が誕生したりと、複雑怪奇な増殖をした区もある。
瀬谷なんて横浜の端っこというか、もういっそ大和市でもいいじゃんとか常々思ってたんだけど、
「横浜の中心が、海も観光名所もない瀬谷区っていうのはあんまりだよ」(p.291)と青葉区に言われたり、
「町田だか大和だか分からない所を横浜の中心と言われて、誰が納得するというのです?」(p.292)なんて金沢区にdisられたり、散々でワロタがな。
でもね、結局平和に円満に戦を終わらせたのは瀬谷区です。
だから瀬谷区民は、自分が瀬谷に住んでいることを悲観しなくていいよ!

...と横浜市民ではないわたしが言ってみる(笑)。

さぁ、次は『横濱エトランゼ』を読むぞ!
− 日本人著者 | 21:25 | comments(2) | - | - | - |