愛宕山

  • 2017.05.23 Tuesday
  • 15:40
今年の「このミステリーがすごい!」、通称「このミス」大賞の優秀賞受賞作『京の縁結び 縁見屋の娘』読了。

著者:三好昌子  出版社:宝島社
発売:2017年3月 定価:¥650+tax
入手経路:地元図書館にて貸出し



題名からして、相性を見抜いたり、いわくつきの縁談の裏を探ったりする娘の話かと思ったら
「縁見屋の娘は祟りつき。男児を産まず二十六歳で死ぬ」――江戸時代、京で口入業を営む「縁見屋」の一人娘のお輪は、母、祖母、曾祖母がみな二十六歳で亡くなったという「悪縁」を知り、自らの行く末を案じる。謎めく修行者・帰燕は、秘術を用いて悪縁を祓えるというが……。縁見屋の歴史と四代にわたる呪縛、そして帰燕の正体。息を呑む真実がすべてを繫ぎ、やがて京全土を巻き込んでいく。
ちょっと禍々しい感じの謎解き+ファンタジーっぽい時代小説でした。
娘の先祖が愛宕山の天狗と出会ったのを発端として、天狗との約束を裏切った上、我が息子の身代わりとして奉公人の幼い息子を差し出しが故に奉公人を死なせてしまった悪行の災いが四代にわたって娘に降りかかる。
修行者の正体、お輪に憑りついた奉公人の無念、そして大火の予知、とおよそ非現実的なんだけど、時代小説だとあーそれもありかと思っちゃうから不思議。
それにしたって、その悪縁、もっと早く、止めたらんかい!

ストーリー的にはそれほど山場があるわけでもないし、まぁ何となくラストも想像付いちゃうんだけど、登場人物の京ことばが魅力的です。音声で聴きたいな。

ところで、愛宕山って言ったら「ちりしたん」としてはこれしか思い浮かべられないんだが…↓

ま、こんなお呑気なとこだけじゃなく、信仰の場修行の場でもあったということで。

A Flying Tyre

  • 2017.05.17 Wednesday
  • 21:40
昨日深夜まで、いや日付変わってたかな?とにかく返却期限に間に合わせるべく、珍しく必死こいて『空飛ぶタイヤ』読了。

【第28回吉川英治文学新人賞、第136回直木三十五賞候補作】
著者:池井戸 潤   出版社:実業之日本社
発売:2006年9月 定価:¥2.052
入手経路:地元図書館にて貸出し

あまり愉快な話ではないので、最初の方がどうしてもページが進まず辛かったけど、途中からもうページめくるのももどかしいくらいに止まらない。
主人公の会社にかかってた容疑が晴れた瞬間、思わず涙が…(T T)
そして、今日は眠気と戦う一日であった…orz

で、今朝のニュース→「ディーン・フジオカ、本木克英監督作「空飛ぶタイヤ」で長瀬智也と初共演!

わぁ、すごーい。偶然だねー!(棒)

……

誰かにツッコまれる前に正直に自分で言います。
そうです。嘘です。
だいぶ前から長瀬とのツーショットが拡散されてたし、目撃情報上がってたんで、わたし、知ってましたー。
長瀬が主演なら、きっと準主役ともいえる沢田役じゃないかなと仮定しながら読んでたんだけど、当たったね(^^)v
てか、長瀬ってもう38歳なのかーい!(おディーンより二つも上だったんかーい)
わたしの中での彼は、おそらく永遠に、鈴木保奈美に熱視線を送る青年(当時17歳)のまんまなの…。


ところで、池井戸作品初の映画化とのことですが、『空飛ぶタイヤ』って昔、WOWOWがドラマ化してましたよね。
2009年にはWOWOWの連続ドラマW枠でテレビドラマ化された。自動車会社が有力スポンサーの地上波では、作品の性質上、制作は難しいと思われたが、有料放送のWOWOWでは地上波のようにスポンサーの影響を受けることなく番組制作を行えるため、ドラマ化が実現する運びとなった。
2009年日本民間放送連盟賞において番組部門テレビドラマ番組最優秀賞、東京ドラマアウォード2009において連続ドラマ部門優秀賞、第26回ATP賞テレビグランプリ2009においてグランプリおよびドラマ部門最優秀賞を受賞した。(Wikipedia)

なお、主なキャストは
赤松 徳郎:仲村トオル - 赤松運送社長
沢田 悠太:田辺誠一 - ホープ自動車カスタマー戦略課長
井崎 一亮:萩原聖人 - ホープ銀行調査役
高幡 真治:遠藤憲一 - 新港北署刑事
原作では見栄えのしない小太りの赤松社長を、スタイリッシュなトオルくんが演じた時点でもう別物よね。彼ならむしろ沢田や井崎の方が合ってるし。
長瀬も全然イメージと違うけど、彼のぎらぎらした感じは何となくしっくりくるな。
自分の会社に降りかかった「殺人」容疑を晴らすべく、警察や世間や大企業相手に奮闘してるのに、融資を打ち切られるわ、取引先をなくすわ、被害者に訴えられるわで、これでもかと押し寄せる苦難の連続。これが、GW前から借りてたのに、読み進められなかった原因よ。
とにかく、赤松目線で読むと3/4以上まで辛いことだらけ。
一方、赤松の交渉相手になる沢田は、ふとしたことから会社の不正を知るわけだけど、その事実を赤松のために暴くのではなく、自らの野望の切り札とするところが、読者の期待を裏切って面白いところ。
とは言っても、赤松の窮状を知ったところで俺には関係ないねという態度から、内部告発につながるまでの変遷は、主役より複雑な分、脇役スキーにはたまらないキャラである。


事故を起こしたトラックの販売元の会社が、ホープ自動車、グループ会社がホープ銀行、ホープ重工となってるけど、言わずと知れた「スリーダイヤ」のことですね。
母子死傷事故からのリコール隠し発覚までの一連の不祥事が基になってます。
横浜母子3人死傷事故
2002年1月10日、神奈川県横浜市瀬谷区下瀬谷2丁目交差点付近の中原街道で発生した事故。
綾瀬市内の運送会社が所有する重機を積載して片側2車線の走行車線(事故当時、付近にガードレールはなかった)を大型トレーラートラックのトラクター(ザ・グレート、1993年製)の左前輪(直径約1m、幅約30cm、重量はホイールを含めて140kg近く)が外れて下り坂を約50m転がり、ベビーカーを押して歩道を歩いていた大和市在住の母子3人を直撃。母親(当時29歳)が死亡し、長男(当時4歳)と次男(当時1歳)も手足に軽傷を負った。

神奈川県警が車両の検分を行ったところ、事故を起こした車両はハブが破損し、タイヤやホイール、ブレーキドラムごと脱落したことが判明。三菱自工製の大型車のハブ破損事故は、1992年6月21日に東京都内で冷凍車の左前輪脱落事故が確認されて以降計57件発生し、うち51件で車輪が脱落していた(うち事故車両と同じ1993年製が7割を占めていた)。(Wikipedia)
事故現場、事故車の所属会社、被害者のそれぞれが、ウチの近隣なもので、事故発生当初から馴染みがあった分、小説の存在も知ってたけど、なかなか手を出しにくくって。
おかげでようやく読めたわ。ありがとう、おディーン様。
グループ内における格差とか、グループの尻拭いを銀行がさせられるとか、なんだかんだでグループにいる限り安泰だとか、事故なんかなかったことにしちゃえばいいんだよーとか、ホントにあきれるばかり。人一人死んでるのに、何の危機感もない社風がこわい!(岩崎)弥太郎もびっくりぜよー!
ちなみにわたしは一度、田町の自動車会社に面接に行ったことがあるんですが、自動車免許も持ってないのになんで行ったんでしょうねぇ。当然、落ちましたけど。

このタイヤが飛んだトラックの会社、実際は廃業しちゃったそうですが、小説では二死満塁からの逆転ホームランってくらい、危機を何とか乗り越えて、明るい未来が待ってます。
こういうフィクションにおける救済って、小説とか映像作品とかが成せる希望というか功績だなぁって思うので、エンタメ\(^o^)/




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火花散らして劇場へ

  • 2017.05.01 Monday
  • 17:15
ドラマ『火花』が、昨夜で最終回を迎えました(ほんで来週から『ダウントンアビー』っていう節操のなさw)。
好きな役者が出てるわけでもないのに全十話、完全視聴しちゃったよ…。ていうか想定外に面白くて、ドラマとしても上質だったと思うんだけど。
漫才師の話だから原作でも漫才シーンが多いんだけど、まぁ落語でもそうだけど、話芸って字面追ってるだけだと面白さ半減なんだよね。ドラマは、尺の長さを思いっきり有効活用して、漫才シーン多めで、そして「スパークス」も「あほんだら」もこれでもかっ!てくらい漫才での魅力全開だったのが、面白さの要因ではないかと。
それにしても、鼻毛よかったよ鼻毛!←だから波岡君だってば(^^ゞ
良い役もらったなぁ。そして実力を発揮したなぁ…。虎ノ介、何してるー!
まさか、ほんとにFカップ再現するとは思わなかったけどな(笑)


さて、そんな『火花』原作者の又吉先生の二作目である『劇場』読了。
って言っても、単行本の発売は11日。一足お先に「新潮 4月号」で読みました。

発売:2017年3月7日 定価:¥980(税込)
入手経路:地元図書館にて貸出し

三百枚、読ませるねぇ!
結論から言うと、『火花』よりもこっちの方が小説として好みでした。
『火花』は、常識人徳永による先輩芸人神谷への憧れ、尊敬、反面教師がないまぜになった語り口なんだけど、『劇場』はその破壊神・神谷をもっと尊大、自己中にして更に屈折しまくりにした舞台脚本家・永田による一人称。
結果、ぶっとんだ人間(=神谷)を生ぬるく見守る(=徳永)スタンスだった距離感が一気に縮んで、ストレートに誰彼かまわず傷つけまくるイカれた人間(=永田)が話を進めるので、読んでて非常にイタイ。だがそのイタさが面白い。
多かれ少なかれ、人は誰しも誰かに羨望しつつも卑屈になるという経験があるわけで、そういう共感という意味では、芸人の世界を描いた前作より普遍性はある気がします。
そこが、『火花』より面白く読めた理由かな〜。

『火花』では、それ以上神谷と一緒にいたら自分が痛い目に遭うというのを本能で察して、離れていった真樹ちゃんという賢い女の子がいたのですが(ドラマで門脇麦ちゃんが好演)、『劇場』で永田と付き合う羽目になった沙希ちゃんはちょっとおっとりが過ぎて、というかアホの子なのか、なかなか別れられず病んでしまいます。
そこまで追いやったのは永田であるのに、彼の目を通して読んでいるので、なかなかその傷の具合がはっきり明かされないあたりが巧いのよ。
冷静に物事を見ているようで、実は永田も相当イッちゃってるので、ちょっと…いくらなんでも…それはもうDV一歩手前では?という沙希ちゃんへの追い詰め方など、何気にホラーです。
最後にようやく別れを決意して、共依存みたいな関係性からお互いを解放して終わるわけですが、いや、これはわかれてよかったんだよ、とカタルシス。

ところで、相方がNYへ行ってしまっても、又吉先生は芸人としての活動もお続けになるのでしょうか?
なんか『火花』で山下に去られた徳永みたいやん…(涙)

I will kiss you mouth, Jokanaan

  • 2017.04.24 Monday
  • 21:00
サロメ:あたしはお前の口に口づけをするよ、ヨカナーン。
(オスカー・ワイルド『サロメ』)

院生の時、オスカー・ワイルドの『サロメ』を講義で取っていたのですが、「原文はフランス語だからフランス語で読もう」とか言い出した教授が、ワタクシの修論の主査だった思い出。
さて、『サロメ』と言えば、まずヴィジュアルとして思い浮かべるのは、著者のオスカー・ワイルドではなく、オーブリー・ビアズリーのこのサロメ↓

夭折した若き天才ビアズリーと、その姉の秘話を描いた小説、『サロメ』読了。

著者:原田マハ    出版社:文藝春秋社
定価:¥1,400(+税)  発売:2017年1月
入手経路:地元図書館にて貸出し

へー、ビアズリーの姉が女優だったとは知らなんだ(というか、姉がいたことすら初耳だ)。
なんか…ちょっと、あまりにも密接な姉と弟の関係性に息苦しさすら覚えるし、いくらフィクションでもそこまで突っ込んでいいんかい?って思ってWikipedia見てたら、
1894年、挿絵入り文芸誌『イエロー・ブック』創刊。同誌の美術担当編集主任となる。このころ経済的に余裕ができたため、ピムリコ地区ケンブリッジ通り114番地に家を購入し、姉メイベルと同居。近親相姦説もささやかれた。
おお…事実がもとになった創作だったのね…。
ワイルドと“ボージー”ダグラス卿との関係は有名ですが、そこに割り込む形でビアズリーの存在があったとしても不思議ではない。
なにしろ、ビアズリーが『サロメ』の「英訳者になることを望んでいたが叶わなかった」一方で、英訳したのはダグラス卿という事実があるのだから。
そしてその三角関係のすぐ近くで、ワイルドに嫉妬し、ダグラス卿と共犯者になり、弟を奪い返す姉メイベルが暗躍していた…という小説です。
まぁ、一言で言って、お姉ちゃん、やりすぎ…(^^ゞ
(小説の話だけど)、弟のために歴史を変えちゃったよ。
天才のそばで生きる平凡な姉、という傍から見たら辛そうな人生なんだけど、当のメイベルはその弟が自分よりワイルドに惹かれていくのが許せないっていうんだから、怖いよう。

日本の小説なんだけど、世紀末のロンドンの隠微な雰囲気が立ち込める、英国チックな小説でなので、好きな人は好きだろうなぁ。

ちなみに、上記の教授は講義の後で、こんな芝居↓に連れってくれたのだった。

濃いわ〜(笑)

FYI:原田マハさんが『サロメ』をテーマに描くミステリ

私小説

  • 2017.04.09 Sunday
  • 20:42
芝公園六角堂跡』読了。

著者:西村 賢太   定価:¥1,500(+税)
出版社:文藝春秋社 発売:2017年2月
入手経路:地元図書館にて貸出し

読んでみようと思った動機はズバリ、タイトルです。
芝公園付近は、ハケン先への通勤路であったので(笑)。
あーでも「六角堂跡」がある芝公園は通ってなかったな。

JR浜松町駅から増上寺前を通って御成門方向へ、が晴れた日の通勤経路でした(懐かしい…)。
芝公園には古墳もあるんですよね。今度近くに行くことがあったら、是非寄ってみたい。


えーと何の話だっけ。あ、小説ね。
タイトルは、この著者が敬愛する藤澤清造という作家の終焉の地なんだそうです。
1932年1月29日早朝、芝区芝公園内の六角堂内で凍死体となって発見される。(Wikipedia)
今は「跡」と言うくらいなんで、現存してないそうですが。
四作の短編小説集なんだけど、時系列的に2015年の2月、6月、7月、12月と分かるようになってて、作家の日記を読んでいる感覚に近い。

最初、全く気付かなかったんですけど、『苦役列車』で芥川賞を受賞した作家でしたか。名前にピンと来なくても、映画で覚えてたわ。


どう見ても実在の歌手がイニシャルで登場したり、どう見ても作者自身ですよね〜な行動だったりで、ものすごく引っかかりながら読み始めたんだけど、そうか、これがいわゆる「私 小 説」というものなのか。
最近、こういう小説読んでなかったなぁ…。
設定がリアルで作りこんでない分だけ、想いも悔いも憧れも卑屈さもビシバシ自分に跳ね返る。ただ書き連ねるだけならここまで感情を揺さぶりはしないので、そこは作家の技量があってこそ。
が、頻繁に出てくる自己卑下の塊のような描写には、いささか辟易するので、これは読む人を選ぶだろうなぁと思った。
日々に忙殺されてても、無意識のうちに原点(=六角堂跡)に引き寄せられるっていうのが、抗えない業みたいなのを感じて、分かりたいような分かりたくないような…。
これは映像作品より、だれかの一人芝居で観たいな〜と思いました。

大坂商人の心意気

  • 2017.03.26 Sunday
  • 10:10
発売から一か月以上待って、ようやく読了。
あきない世傳 金と銀(三) 奔流篇

著者:高田郁   出版社:角川春樹事務所
発売:2016年2月  定価:¥626(税込)
入手経路:地元図書館にて貸出

根拠はないのに、このシリーズはこの巻で終わると思い込んでたので、「あ、まだ続くんだ…」とちょいびっくり。
あ、でも、物語的にはいよいよこっから!むしろ今までは序章に過ぎないって感じなので、今後も楽しみです。
五鈴屋三兄弟の長男が死に、二男と再婚したヒロイン、幸。
あっという間に21歳のご寮さんになってて、比較的ワープの少なかった『みをつくし料理帖』シリーズに比べると、大河ドラマ感があります。
ちょい冷酷なところはあっても、幸の使いどころを分かってそうだし、商売熱心で商い好きだし、夫婦仲もよさげだし…で見直したところに、血も涙もない取り立て屋みたいな描写とか、挙句の果てにDVだよ…。もうどうしようもないストップ安(笑)。
だからといって、根っから商いの才のないぼんくら三男が、「商いの戦国武将になろうとする女」幸に釣り合うのかっていえば、それもどうだかな〜。
あ、『あさが来た』の新次郎だと思えばいいのか(をい)。

そうそう、『あさが来た』ネタといえば、大名貸しの両替商がつぶれる話があって、そうかこんな昔(寛保)からつぶれるとこはつぶれてたんだ〜と感慨深い。
あと、お家さんと幸が文楽観に行くとき、演目が『ひらかな盛衰記』から『曽根崎心中』に代わって、おお「お初徳兵衛」来るのか!と一瞬わくわくしたら、徳兵衛は五鈴屋の主が代々襲名する名前で、先代徳兵衛(お家さんにとっての初孫)が死んだばかりだったねと、しんみりしてしまった。

故郷へお墓参りとか新たな産地開拓とか『銀二貫』を彷彿とさせる展開でしたが、そういえばわたし、ストーリーの面白さに関しては、『みをつくし〜』より『あきない〜』の方が好きなのは、『銀二貫』みたいに「商い」がテーマだからかも(でも涙を流すほどの感動描写は『みをつくし〜』に軍配が上がる)。
普段やらないこともあって、あんまり「食」とか「料理」に興味がないんだよなぁ…。
朝ドラも、食がテーマの『ごちそうさん』は全力でスルーしたし、衣がテーマの『カーネーション』&『べっぴんさん』や衣食住包括して扱ってた『とと姉ちゃん』は脱落したし…。
『マッサン』みたいなガチなビジネス朝ドラ、また観たいなぁ…。

宇治が舞台なら宇治茶でいいのに

  • 2017.03.24 Friday
  • 22:48
ここ数年、わたしの中では『ビブリア古書堂』と『タレーランの事件簿』が内容的も、キャラ的にも、新刊発売時期的にも紛らわしいってんでイラッとくる物件なんですが、今回『タレーラン』が昨年出たにもかかわらず、『ビブリア』発売の頃に仕入れる図書館てばよ…orz
あ、でも『ビブリア』の方は今回で最終巻なんですってね。『タレーラン』まだ続くんかい。

喫茶店タレーランの事件簿5 この鴛鴦茶(えんおうちゃ)がおいしくなりますように

著者:岡崎琢磨  出版社:宝島社
発売:2016年11月 定価:¥713(税込)
入手経路:地元図書館にて貸出し

えっとー。今回の『タレーラン』てば、いつものコーヒーに絡めたミステリというより、まるっと『源氏物語』なんですけど、もしかして『ビブリア』と入れ替わってます?(笑)
でもって、アオヤマの初恋の相手が最初から胡散臭さ全開で、このうすのろのわたしでさえ、彼女の虚言や引っ掛けに気付いていたよ、アオヤマ君…。
あと、キミは一応、「タレーラン」のバリスタと付き合ってるんだよね?
美人の年上バリスタと相思相愛なんだよね?
その彼女が働いてる喫茶店に、よくもしれっと初恋相手のお姉さんを連れてこれるよねええええ。
神経太い通り越して雑だよ…。

というわけで、いつもなら「倒叙ミステリ」なので二度読みするんだけど、今回さらっと一読で終わり。
あ、一巻のころに比べ、格段に文章は上手くなりました(←超上から)。若干、キモっ!と鳥肌の立つ文章が散見されるけど、作者が進歩したのか、編集が代わったのか、彼のスタイルにわたしがようやく慣れたのか、さほど気にならなくなってた点は評価しよう。

ちなみに(こじつけにも程がある)タイトルの「鴛鴦茶」ってのは
香港で一般的な飲み物で、紅茶とコーヒーを混ぜ合わせたもの。広東語では「鴛鴦」(ユンヨン)と略すことが多い[1][2]。日本語ではコーヒー紅茶と呼ばれる場合もある。多くは、砂糖と無糖練乳をたっぷり加えて飲むため、「鴛鴦奶茶」(えんおうだいちゃ、広東語 ユンヨンナーイチャー)とも呼ばれる(Wikipedia)
んだそうです。
今度中華街で飲んでみよう。

Greater Osaka

  • 2017.03.23 Thursday
  • 22:45
この冬は、毎朝出社すると六〜七社の新聞を読み漁ることが、ワタクシの暇つぶし日課だったのでございますが(をい)、一昨日、こんな素敵な記事↓を見つけて、一人で小躍りしてました。
日本最大の都市だった「大阪市」 “大大阪”ロマンを知っているか

知ってますとも!


↑北浜レトロで買った紅茶。その名も「Greater Osaka Classic Blend(大大阪クラシック)」

…て、ちゃうがな。
大大阪時代(だいおおさかじだい)は、大正後期から昭和初期にかけて、大阪市が大大阪と呼ばれていた時代のことである。(Wikipedia)

「大阪の恩人」五代様が「東洋のマンチェスター」たらんと夢見て地盤を整えた明治初期の大阪が、産業・文化各面で花開いた明治後期から大正時代のことですね。
この時代に建てられたレトロでモダンな建築物が大阪には数多くあり、上記「北浜レトロ」の建物もその名残り。
で、記事が紹介してるのは「婦人画報」四月号の「大阪エリア限定版」。

・わが街、大大阪
・嬢(いと)はんの御堂筋界隈ロマンティック散歩
・船場・淀屋橋の「大大阪」ビルヂング
・堺、よみがえる「黄金の日々」
・大阪の「当たり前」は世界の「ピン」
・いま「めっちゃおいしい」8軒 などなど

買うたがな…。
「お近くの書店でお求めください。」って言われてもエリア外だから、楽天でぽちっとしたがな…。

あの!わたし、思うんですけど!
こういうのって、圏外に住んでる人間のほうが興味持つと思うの!
情報、ほしいと思うの!
お近くの書店で見つけたら、即レジ行きだと思うの!
えーとつまり何を言いたいかというと、ロケに『あさが来た』の加野屋の千代ちゃん(の中の人)を使ってるくらいなら、全国版で出そうや!ということです。

つーか、この特集57ページで!フルカラーで!¥1,200!はとってもお買い得だと思うの。
次の大阪旅行の楽しみができました(←レトロビルディングとヴォーリズ建築巡り)。

ケルトを巡る三都物語

  • 2017.03.21 Tuesday
  • 21:16
図書館で予約してる本がなかなか来なくて暇な時、「アイルランド」で検索かけて出て来た本を読んでみることが多々あります(当たりはずれも多々ある)。
今回は、うーん…「普通」かな。
熊野からケルトの島へ アイルランド・スコットランド

著者:桐村 英一郎 出版社:三弥井書店
発売:2016年5月  定価:¥2,000(+税)
入手経路:地元図書館にて貸出し

わー懐かしい。『マッサン』の名前がー!
そうか、2014年6月に取材でスコットランドへ行かれたんですねー。
…って、そんなことはさておいて。著者は熊野在住の元A新聞の記者。「古代熊野人にとっての永遠の異郷」である「常世」の存在が、「ケルトが信じた不老不死の楽園」の「常若の国(=ティル・ナ・ノーグ)」と重なることにインスピレーションを得て、そのほかにもごろごろ出てくる両者の共通点を探すべく、スコットランドとアイルランドへ旅立った、というわけ。
実際、神話から自然、巨石文明、強い女性神信仰、海の彼方に新天地を求めた歴史等々、共通点は大ありなことは認めるけども、そういうのって実は「ある」と思って比較していくと、そーゆー点が目立って目に付くんだよね。
だって、わたしが最初にアイルランドに興味を持った90年代後半、既にアイルランドって沖縄と超似てね?って「アイルランド友の会」で言われてたもん(笑)。
ちなみに、沖縄の「ティル・ナ・ノーグ」は「ニライカナイ」ね。
そんなわけで、別段目新しい説でもなんでもないんだけど、紀行本としてはいいツボを押さえてますね(←上から)。
自分で運転できる人はいいなぁ…って、アイルランドやUKの辺境に行くと実感するわ。

熊野には行ったことがないのでよくわかりませんが、そこへ行ってる間に身内や友にヤバいことが起きるんですよね?
…とか思ってしまうほどには『平清盛』脳です(笑)。

誰が為に復讐す

  • 2017.03.09 Thursday
  • 21:20
先週から昔懐かしの「金曜時代劇『五瓣の椿』」(2001)アンコール放送が始まりました。
これ、リアルタイムで観逃してて、ずっと観たかったんだ〜。
その年の春から夏にかけ絶大な人気を誇った朝ドラ『ちゅらさん』が終わってから初めての国仲涼子の主演作。
観てないにもかかわらず、あの天真爛漫な笑顔の可愛いえりぃになんつー似合わない役をさせてんねん、NHK!とあちこちで不満の声が上がったのは覚えてます(笑)。
あと三番手で、今や押しも押されぬ実力派俳優と成り上がった堺雅人が出てるんですが、えーと『新選組!』が2004年だから、まだ山南さん大ブレイク前ですね。
でも『ちゅらさん』のひとつ前の朝ドラ『オードリー』でプチブレイクはしてたので、NHKとしてもいい組み合わせだろ?的なキャスティング。今となってはこんな地味な役は絶対やらないと思うので、貴重ですわ〜。
ちなみにワタクシ、2001年の秋冬はこの『五瓣の椿』ではなく『嫉妬の香り』で堺雅人(とオダジョー)を観てました(笑)。

さて先週第一回をガン観してたら、想像以上に暗い話で、原作にも俄然興味がわいたので、図書館で借りてみた。

著者:山本周五郎 出版社:新潮社
定価:¥514(+税) 発売:昭和39年9月→平成18年8月(63刷)

うーん…いくらお父つぁん子だからって、17、8の大店の世間知らずの箱入り娘が、家付き娘の妻にコケにされた挙句に不義の子を押し付けられた父親に代わってお仕置きよ六人も殺すほどの動機が、いまいちピンと来ないな。どうしようもない淫乱な母親と、その浮気相手の血をひいてる己の存在そのものを否定したい、抹殺したいって気持ちもあるんだろうけどさ。
ジャンルも時代も全然違うけど、妹を殺されて復讐に立ち上がった『探偵の探偵』でもピンと来なかったわたしはよほど肉親への愛情が薄いのか。
いやでもね、お父つぁんは、たとえ自分と血の繋がりがなくても可愛がってたおしのに復讐してもらおうなんて考えてなかったよ、きっと。
だって自分が死んだら、手代の徳次郎と一緒に家を出て、母親の目の届かない所に行って、幸せになっておくれって了見で、無理して働いて870両貯めたんでしょ。それはつまり、可愛い娘に幸せな未来を残してやる為じゃないのよさ。
ほら、『ちかえもん』でも、お初の父上はお初が復讐することを望んでない!みたいなこと、言ってたじゃーん!
なので、実母の浮気相手に色仕掛けで迫って、淡々と殺していくおしのの行動原理が、父親の為でありながらもその当の父親が望んでないと思われる以上、ただ単にむなしいだけなのだな。
あと、ワタクシは根が小市民なので、おしのがせっかくお父つぁんが骨身を削って貯めたお金を、復讐のために散財してるってのもなんかイヤ(笑)。

まぁ、そうは言っても、おしのの復讐相手が揃いも揃ってロクデナシなサイテー野郎ばっかなので、小娘にしてやられるくだりは爽快ではあった。
あ、ドラマでなんかいい感じだった徳次郎は、原作では一瞬出たっきりの全くもって完全なる脇役でしかなかったです。ドラマでこの先どうなるのか、ちょっと楽しみー。

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