三代目徒然なるままボヤッキーニッキー

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日本の車窓から
昨年末から図書館にリクエストしていてずっと待ってた本がようやくktkr!
ふるさと銀河線 軌道春秋

著者:高田郁 出版社:双葉社(双葉文庫)
価格:¥648 発売:2013年11月
収録作品:1「お弁当ふたつ」
2「車窓家族」
3「ムシヤシナイ」
4「ふるさと銀河線」
5「返信」
6「雨を聴く午後」
7「あなたへの伝言」
8「晩夏光」
9「幸福が遠すぎたら」
入手経路:地元図書館にて貸出し

御存知、『みをつくし料理帖』シリーズや『銀二貫』の著者、高田郁氏が、川富士立夏という名で漫画原作を手掛けていた頃の著作を文庫化したものです。
ちなみにその漫画はこちら↓
コミック版 ふるさと銀河線 軌道春秋

こちらもなかなか評判がいいようです。

いずれも「電車(汽車)」が登場する短編ではあるけれど、主題は家族であったり、日常の風景であったり。
1と3は『みをつくし』で料理に対する並々ならぬ執念、いえ関心を示す著者ならではの、「食」が繋ぐ絆。「虫養い」は『銀二貫』の読者なら、「おお!」と唸るはず。
2は、お互い見知らぬ他人同士な乗客が車窓から見える老夫婦を気にかけているという、なさそうでありそうな日常の話。
4と5は関寛斎の妻の生涯を描いた『あい』にも出てきた北海道の開拓地が舞台。イメージとして『鉄道員(ぽっぽや)』の駅舎が思い浮かぶ。
7の主人公が住んでるアパートの部屋を、昔の住人だった6の主人公が合鍵で時折侵入するという、この説明だけ読んだら犯罪小説のようですが、そんなことはないのでご安心を(笑)。6はまあいいんだけど、7は重いなー。アルコール中毒の恐ろしさが字面だけでも伝わるのに、これをコミカライズしたらちょっと後引きそう。
8はこの中で一番重い。徐々にアルツハイマーで記憶を失いつつある老母とその息子の話。
9は学生時代の良き仲間が、それぞれ重荷を抱えつつ再会し、それでも未来へ生きて行こうっていう話。

どれも心にじんわり沁みる佳作ぞろいの短編ですが、やっぱり現代を舞台にした分リアリティが増してシリアスでヘビーです。その点、同じ人情を描いてても時代小説はもう少し読後感が軽やかな気がする。
時代小説を描ける高田さんには、是非そっちの分野でこういう短編を書いていただきたいなー。
| itoyan | − 日本人著者 | 21:19 | comments(0) | - | pookmark |
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