三代目徒然なるままボヤッキーニッキー

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『あまちゃん』Forever

今更何言ってんだとお思いでしょうが、『あまちゃん』完全シナリオ集読了。っとに今更っすね(^^ゞ
 
著者:宮藤官九郎     出版社:KADOKAWA(角川マガジンズ)
発売日:2013年11月30日  定価:各¥1,700(+税)
入手経路:楽天Booksで注文

ヒマな時にちびちび読んでたら、年を越え、季節を越えてしまった。ちなみに去年の今頃放送していたのは「第10週 おら、スカウトされる?!」、ミズタクの正体がバレるあたり。懐かしいなー。
クドカンのホンなので、字面だけでも十分面白いです。二冊合わせると結構なお値段だけど、ファンなら買っても損はしないと思う。
スタッフやキャストではない、ただの視聴者たる我々が知ってる『あまちゃん』ていうのは、クドカンが作り上げた「あまちゃん」ではなく、演出家の指示と役者の演技、そして小道具や音楽が加味されてできあがったものなんだなーと改めて実感。シナリオを読んで初めてクドカンの意図を知ったというか。放送を見て、あーだこーだ言ってた評論家やファンの反応って、クドカン本人にしてみたら「ちゃんちゃらおかしい」ものだったのかも。

わたしが最初にそういうクドカンと世間の温度差に気付いたのは、婦女子が大いに盛り上がった「ミズタク」人気(笑)です。我々にしてみればどうしたって狙ってるだろ的な描き方をされてるにもかかわらず、クドカン曰く「狙ってない。人気が出たのは役者の力」(出典は確か「週刊文春」)。
後に、『あまちゃんメモリアル』でミズタクを魅力的に描いたのは主に一人の演出家による陽動作戦だったと知ることになるんだけど、おかげですっかり「アキを巡る三人の男たち(ストーブさん、種市先輩、ミズタク)」って図式に振り回されたのは「イナメナイヨネー」。
で、シナリオを読み通してみて確信したわ。ナルホド、クドカン、全然狙ってない(笑)。
『ちりとてちん』の四草は、脚本の時点で人気が出るように描かれてるし、脚本家にもそういう意図があったように見て取れるんだけど、『あまちゃん』のミズタク人気は、脚本家の想定外。演出家と松田兄にしてやられた感がありありです。
てゆーか、『あまちゃん』の本筋はアキと上記三人の男たちのコイバナではなく、完全にアキとユイちゃんの物語でした。
そういう意味で、震災〜復興編(9月の四週分)の辺り、見ている我々が肩透かしを食らった、男どもイマイチパッとしない描かれ方は、演出家による過度なフィルターを外した、純粋にクドカンの意図したキャラクターそのまんまだったんじゃないかと思います。

シナリオ読んで、意外だったのは、演出家が結構自由にシーンを入れ替えたり、思い切りよくセリフをカットしてること。
シナリオだと次回に持ち越してるシーンを前日に持ってきてたり、タイトルバックの使い方とか、割と現場でフレキシブルにいじってたんだなー。
ネタが続いてちょっとクドくなってるシーンやマニアックすぎるネタをカットするのはGood Jobだけど、個人的になんでそこ削るかなーと思ったのも多々あり。
例えば、アキと春子が北三陸にやって来た初回、同じ北鉄にストーブさんも乗って帰郷してたとこ!これ、そのままオンエアしてたら、間違いなくヒロシが実は本命じゃないか?と盛り上がってたはず(笑)。
それと、合同結婚式の後、夏ばっぱの海女引退宣言を受けて、アキが海女クラブ会長に就任するとこ。アキが名実ともに夏ばっぱの後継者になるってのは、オチとしてもきれいにまとまってたと思うんだけど…。

しかし文字だけだと、アキが若干うざったい(笑)。タメ口とかエセ訛りがキツく見えちゃうんです。ドラマでその辺があまり気にならなず、「アキだから仕方ねぇ」で済んでたのは、能年ちゃんの雰囲気と演技に助けられてたと思うなー。
逆にユイちゃんはドラマの方がコワイ(笑)。標準語設定だからか、読んでるだけだとフツーなのに、映像を観返すと要所要所でアキならずとも「ビクッ」となるほど、キレ感がハンパない。演出にもよるところ大だとは思うけど、橋本愛ちゃんのセリフの言い回しは脚本を越えてたな。

で、こういう検証を是非『ちりとてちん』でもやってみたいんです!
だって、ネタとスナックの会話が80%を占める『あまちゃん』で、これだけの発見があるんだよ?最初から最後まで伏線だらけの『ちりとて』のシナリオ本があったら、どんだけ新たな発見があることか!
NHK出版さん、ダメですかねぇ…。


シナリオと実際の放送版の差異をまとめた方がいた→「「あまちゃん」完全シナリオ集とドラマ放送版を比べてみました。第1部
「あまちゃん」完全シナリオ集とドラマ放送版を比べてみました。第2部
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