三代目徒然なるままボヤッキーニッキー

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二人の女王
先週の日曜日、録画したNHKの『ザ・プレミアム 天海祐希 魔法と妃と女たち』のスコットランド編を観た
→ホリールード宮殿やエディンバラ城が出てきて、懐かしくって超萌えた
→そこで暮らしてたスコットランド女王、メアリー・ステュアートの話が予想外に面白かった
→そういえば、今渋谷で『メアリー・ステュアート』やってんじゃん!
→某お得サイトでたまたま6月28日の公演分だけ、手数料なしで安く買えることが判明
→締切4時間前だったので慌てて購入し、すぐさまファミマに発券しに走った
→本日、観劇決定(←今ここ)

そんなわけで、半年ぶりのパルコだお!


フリードリッヒ・シラー作『メアリー・ステュアート』の自由な翻案
作:ダーチャ・マライーニ(訳:望月紀子)
演出:マックス・ウェブスター
出演:
メアリー・ステュアート/ナニー(エリザベスの侍女)/レティス・ノールズ(ダドリーの妻):中谷美紀
エリザベス・テューダー/ケネディ(メアリーの乳母):神野三鈴
リュート演奏:久野幹史/笠原雅仁

なんと、「1990年に宮本亜門演出」で「麻実れい×白石加代子で上演」の過去があったとわ!それ、すげー観たかった。
二人芝居は初めてではないけど、今回珍しいなーと思ったのは、二人の女優がそれぞれ女王を演じるわけですが、それだけではなくて、それぞれ自分じゃない女王のお付きの人の役でもあることです。
でも、中谷さんの役はどれも「愛に殉じた人」で、神野さんの役は「男より忠勤に励んだ人」という共通点はある。
暗転で役が入れ替わるとか、幕ごとに違うとか、そんな悠長な切り替えはなく、ある遣り取りが終わり、女優たちが背中を向けたり、舞台脇へ移動したその瞬間、二人の立ち位置が切り替わるという、役者も大変だが、観てる我々もハードな芝居。
しかし、そこは実力派の二人。声色や姿勢の違いで瞬時に別人になり替わる。うーん…役者って怖い。
ちなみに舞台上には簡素な机や椅子のみで、背後が鏡になってるので、客席の前二列くらいまではばっちり反射して見えてます。裁判シーンなど、その二列に照明が当たって、まるで陪審員のよう。
あと、役者が後ろを向いている時の表情も鏡で十分見えるので、客には嬉しい装置だけど、役者は気が抜けないですね。
舞台脇にリュート奏者が控えていて、BGMを奏でてくれてます。いかにもシェイクスピア〜って感じで気分が盛り上がることこの上なし。

イタリアのフェミニストが翻案しただけあって、男に振り回されて生きていたメアリー、男を利用して生きてきたエリザベスの女のとしての苦悩がひしひしと伝わる。
どっちも哀しい女ですが、「学問も教養も芸術も教え込まされて、望まれて王位についたと思ったら、ご結婚はいつですかー?お世継ぎを早く!とか、うるさいんじゃゴルァ!!誰がアホな男の意のままになるかい、ボケ!」(←意訳)なエリザベスの叫びには、思いっきり共感した。ていうか、絶対現代社会をあてこすってるよね。
何しろイングランドの女王陛下は手紙ひとつ書くのにも、相手、内容、タイミングに合った文章でなければ、容易に書き上げないほど慎重で聡明なお方。
と言いつつも、エリザベスの心には寵臣ロバード・ダドリーへの複雑な愛情があって、まぁ、そこら辺は映画『エリザベス』を見てくださいって感じで簡略化されてますけど、要するに「好きなんだけど、イケメンなんだけど、一国を任せるにはおバカすぎなのよね、こいつ…」で、結婚には至らなかったことにちょっとは未練があるわけで。
一方のメアリーは、あんまり夫運はないものの、好きになったら一直線、政治的配慮?何それおいしいの?と、突っ走る。その脇と詰めの甘さが命取りになって、幽閉されてしまったんだけど。
理想は両者のいいとこどりなんだろうけど、そんなおいしい話はこの現代だってそうそう簡単に手に入らない。権力握って、女とっかえひっかえのヘンリー八世はよくて、アタシたちは何でダメなのよ!という二人の怒りが爆発するのが、後半の「ダドリーを豚呼ばわりして、溜飲を下げるロックコンサートシーン(仮称)」。
いやぁ、このマイク片手にロッカー顔負けに歌い煽る二人を観るだけでも、この舞台のチケットを取る価値はあるわ(笑)。
それまで固唾をのんで二人の女王のやり取りを見守って来た観客も、もう笑うしかない。でも笑っていいのかちょっと判断付かずに戸惑ってるのが(自分を含め)伝わる微妙な空気感(笑)。

神野さんは高畑淳子主演の『欲望という名の電車』で妹ステラを演じてたのを観たことあるんだけど、まず声がいい←出たな、声フェチw
そして安定と安心の演技がこの作品の屋台骨になってるという印象。
中谷美紀は、別にファンでもアンチでもなく、まぁしいて言えばTVドラマより映画、映画より舞台で観たい女優ってイメージしか持ってなかったんだけど、やっぱりこの人、舞台向きですね。去年の大河ドラマでさえ、芝居が舞台っぽいって感じしてたもん。

パンフレットは¥1,800と少々お高い上、ものすごく立派なハードカバー装丁で、買うのやめようかなと思ってたんですが、英国ルネサンス期の歴史や、参考DVDの紹介(もちろんあったぞ、“The Tudors”)、そして二人の女優のインタビューなど、結構中身が濃いので、損はない。
ていうか、英国史に疎いとさっぱり分かんない芝居なので、開演前に予習するか、終わってから復習するのにもってこいです(笑)。
| itoyan | −ストプレ | 22:04 | comments(2) | - | pookmark |
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YoYo様

Twtterでは毎度お世話になっております(特に『マッサン』関連で…)<(_ _)>
わたしもblogを拝見してます。英語の勉強の姿勢に頭が下がります。み、見習わなきゃ〜。

『メアリー・ステュアート』お楽しみください。そうですね、『エリザベス2』をご覧になることをお勧めします。
こちらの映画は日本で公開しなかったみたいですね↓
http://www.imdb.com/title/tt1555069/?ref_=tt_rec_tt
残念…
| itoyan@管理人 | 2015/07/02 10:10 PM |

お久しぶりです〜(^o^)丿
と言っても、ブログずっと拝見してましたけど(^_-)

舞台話題やらたくさん、アメリカでの感激の観劇の日記も読みましたよ♪
NHKの特集見て、本物を観てこられたitoyanさんの感動の1000分の1くらいは共有した気分でした。

「メアリー・ステュアート」、観に行くことにしました。やはり予習必須でしょうね。

映画「エリザベス」あたり、もう一度観ておこうかな〜。
| YoYo | 2015/07/02 11:22 AM |











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