三代目徒然なるままボヤッキーニッキー

<< 「わいの中の評判は群を抜いてよろしおまんねん」 | main | パスタ☆パスタ >>
ブラック・アイルランド
仕事帰りに世田谷パブリックシアターで『イニシュマン島のビリー』を観て来た。


行こうかどうしようかずーっと迷ってたんだけど、イニシュマン島の隣りのイニシュモア島にまで行った身としては、やはり観に行くべきかと(笑)。
お察しの通り、イニシュモアに渡った日は大雨(ていうか嵐)で、フェリーが揺れて揺れて、そらもう天地がひっくり返るとはこういうものかと思い知った船旅でした。
わたし、四国に四年いた間に何度となくフェリーとか高速艇に乗ってたんで、船旅は慣れてると思ってたんですが、今思えばもう船酔いに近かった。もう少しで〇〇するとこだった…。

原題:"The Cripple of Inishmaan"
作:マーティン・マクドナー
翻訳:目黒条
演出:森新太郎(2014年読売演劇大賞/最優秀演出家賞W受賞)

キャスト
びっこのビリー:古川雄輝
ヘレン(口も悪けりゃ性格も悪い美少女):鈴木杏
バートリー(ヘレンの弟の薄らばか):柄本時生
ケイト(ビリーの伯母、時々石に話しかける):峯村リエ
アイリーン(伯母その2、キャンディーが好き):平田敦子
ジョニー・パティーン・マイク(村の情報屋):山西惇
マミー(ジョニーの飲んだくれの母):江波杏子
マクシャーリー(医者。村で唯一まとも):藤木孝
バビー・ボビー(漁師):小林正寛


ふーん。2013年にダニエル・ラドクリフが「びっこのビリー」を演じて評判になったんだー。
なんか想像つくな〜。素朴そうに見えて実は腹ん中で何考えてるか分かんなくて、愛情に飢えてるようでめっちゃシビアなビリーを演じるラドクリフが。
二幕でね、それまで普通に迫真の演技を見せてたビリーなのに、なんか白々しいというか嘘くさい芝居をするシーンがあるんですが、そらそうだ「芝居の芝居」なんだもの…っていうとことか、ヘタな役者にはできないもんね。
古川君も、同情を買いそうな哀れなビリーでありつつ、野心満々でだまくらかしたってへーきなとこを上手く演じてたように思います。
元々、同じ「杏」なら、謙さんの娘より鈴木杏ちゃんの演技の方が好きなんですが、いやぁ、すごい迫力だった。舞台向きのいい声してんなぁ。ものすごい罵詈雑言の嵐なのに、ビリーにキスするとことか超カワイイ。
あと、アホすぎるアホ演技をさせたら柄本弟はピカイチ!←褒めている

とにかく、内容がブラックすぎて、終演後へたりこんじゃいます。さすが英国の劇作家。
ちなみに、今年のローレンス・オリヴィエ賞を受賞したらしいっすよ↓
マーティン・マクドナーの新作が最優秀プレイ賞を受賞 2016年ローレンス・オリヴィエ賞が決定

あんな人のよさそうな伯母さんsなのになんという腹黒策士っぷり…。あれは要するにビリーが受け取るはずの保険金をがっぽり取っちゃったってことでFA?
そして、最初から最後までうるせー奴だなと思ってたジョニーは天使かっ!
でもアル中の母親(江波さん、さすがの大迫力!)との毒舌合戦はすさまじい勢いで、どっちもひるまないとこが恐ろしいまでに親子(笑)。

嘘をついて合衆国に渡って、でも夢破れて帰ってきて、ずっと願ってた望みがかなえられそうになった瞬間、嘘がホントになって、希望が打ち砕かれる…。

なんだ、この救いようのない閉塞感!

1930年代のアイルランド自体が、閉ざされた逃げ場のない社会なのに、それに輪をかけて出て行きようがないアラン諸島の中くらいの島(=イニシュマン)が舞台ですからね!当然と言えば当然。
それなのに、人々は「アメリカ人が、フランス人が、ドイツ人が来たり、興味を持つくらいなんだから、アイルランドは魅力的」とウソかホントか分からねど、声をそろえて言い続ける。

うーわー!気がおかしくなりそうだーっ!

翻訳劇にありがちな硬い会話じゃなくて、耳に分かりやすい良い訳でした。
特に相手の言うことをいちいち繰り返す不毛な会話が、ビミョーに語末を変えてたりして日本語として聴いてて自然だったように思った。

思い切って観に行って良かったですよ。

アイルランド\(^o^)/
| itoyan | −ストプレ | 23:50 | comments(0) | - | pookmark |
スポンサーサイト
| スポンサードリンク | - | 23:50 | - | - | pookmark |










一番上へ