三代目徒然なるままボヤッキーニッキー

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Love or Death
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    ハロウィンで賑わう渋谷にわざわざ行ってきました。
    魔女の仮装しに行ったのではなく、魔女裁判の芝居を観るためです。


    るつぼ
    作:アーサー・ミラー
    演出:ジョナサン・マンビィ
    翻訳:広田敦郎
    美術・衣装:マイク・ブリットン
    主なキャスト
    ジョン・プロクター(農夫):堤真一
    エリザベス・プロクター(ジョンの妻で病弱):松雪泰子
    アビゲイル・ウィリアムズ(パリス牧師の姪で、プロクター家の元使用人):黒木華
    ジョン・ヘイル牧師:溝端淳平
    アン・パトナム:秋本奈緒美
    パリス牧師:大鷹明良
    レベッカ・ナース:立石涼子
    ダンフォース副総督:小野武彦
    メアリー・ウォレン:岸井ゆきの

    10/7(金)〜10/30(日) Bunkamuraシアターコクーン
    一幕 13:00〜14:35
    二幕 14:50〜16:15


    ちなみに本日この回、千秋楽。
    わたし、コクーン二階のサイドの席だったんだけど、その後ろで立ち見の人も結構いました。

    アーサー・ミラーの『るつぼ』といえばコレ↓

    もうダニエル・デイ・ルイスが超絶かっこよくってさぁ…って、そういうジャンルじゃなくて、ホントに観るのが苦行な映画。
    舞台もなかなかに苦行でした。一幕終わって酸欠っぽくなってたし。
    事の発端はアビゲイルの復讐なんだけど、そもそも遊びで終わらせたプロクターが悪いし、プロクターをそういう風にさせたのは私、とか妻のエリザベスは言っちゃうし。
    エリザベスがそんなに自分を責めることはないよって「現代の倫理」的には言いたくなるけど、あの頑ななまでに亭主の言い分をスルーする辺りは、ちょっとぞっとしないでもない。
    じゃ、誰が悪いのよ?って話だけど、なんかもう結局はそういう風になってしまった、時代と社会が悪いのよみたいな『頭痛肩凝り樋口一葉』を思い出しました。
    まぁ、なんだかんだ言ってもやっぱりプロクターは許せんが。
    デイ・ルイスはクールで理知的でカッコよすぎるんで、一夜の戯れでアビーによろめくような男に見えないが、その点堤真一は「さもありなん」な雰囲気バリバリでした。勿論、芝居としての話ですよ!
    「十戒」の「汝、姦淫するなかれ」が失語症のように言えなくなるプロクター。もう観客はここで(ノ∀`)アチャー。如何にも戯曲的な展開ですが、分かりやすく提示してくれてて良い良い。

    プロクターに捨てられた美少女アビーとしてはイマイチピンと来ないけど(何せ比較対象が絶頂期のウィノナ・ライダーなのでw)、トランス状態に入ったり、プロクターを脅したり、瞬時に二枚舌を使い分ける魔性の女の黒木華ちゃんは絶品でした。
    彼女の言い分ってハロウィン風に言うと「愛してくれなきゃ、死刑にするゾ」だよね。

    そんなわけで一幕は冷静に観てたんだけど、二幕でプロクターが何もかもぶっちゃけて、一度は仲間を裏切ってまっとうな道に進もうとしたメアリー・ウォレン(=『真田丸』のおたかちゃん)が、アビーの煽動でトランス状態になってる少女たちに糾弾されて、「転ぶ」ところなど、演者の迫力とこちらの感情の揺れのせめぎ合いがすごくて、手に汗握ってました。
    メアリーが何を言っても、アビーたちは意思を持たない木霊のようにその言葉を繰り返すだけ。
    真実を追求するはずのダンフォース副総督は、都合のいいように誘導するのみ。
    自分の心の拠り所だった信仰が揺るがされ、安心と安定の大多数の側へ着くメアリー…。
    正しい議論や討論とはまるで違う、狡猾な言葉狩りにいじめの世界を見た。

    そして投獄されたプロクターが妻と対峙する場面。
    ここでようやく和解というか愛情が示される夫婦の場面がすごく良くて。正直、松雪さんがこんなに理知的で信仰深くてでも愛情もある役を演じきれるとは思ってなくて、心の中で土下座してました。
    「どうしても生き延びたい」プロクターが嘘の告白に署名をして、これで救われたとならないのがこの戯曲の重要なところで、やっぱり「名前を売ることはできない」「自分の中の善きものを奪われたくない」と絞首刑になる道を選ぶのですが、そこに至るまでずっと涙があふれてました。
    まさか『るつぼ』で泣くとは思ってなくて、自分でビックリなんだけど、やっぱり生と死の狭間で揺れ、あがく役どころは堤真一の真骨頂なのかなぁ。以前TV放映で観た『写楽』もそんな感じだったし。
    後、心から善良な本当の聖女たるレベッカ・ナースの素朴なセリフと演技が素晴らしい。
    「見てないことを見たと言ったらそれはウソになる」って当たり前のことなのに、それができない人間の弱さが本当に歯がゆくて←多分ここで最大に泣いてた

    ほんっとうに重くて辛くてしんどい舞台だったけど、それでもやっぱり観たことに後悔はしない。観てよかったと思える良い舞台でした。


    さて、魔女裁判のセイラムから抜け出た渋谷では…



    DJポリスを初めて見た。


    Bunkamuraに行く前に、Afternoon Tea Roomで腹ごしらえ。
    先月の「ピーターラビット展」でグッズを買ったらついてきた「ハーフスイーツ券」が明日までなので。
    せっかくなので「倫敦特集」の「パイ&マッシュ」にしてみた。

    イギリスで親しまれているコテージパイをアレンジ。サクサクに焼き上げた風味豊かなシナモンパイをマッシュポテト&ボロネーゼと一緒にお楽しみください。


    タダ券使ってのスイーツはモンブランで。

    ハーフサイズでも結構なボリュームでした。



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